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舌下免疫療法における口腔内局所反応について

No.5017 (2020年06月20日発行) P.53

湯田厚司  (ゆたクリニック院長/ 滋賀医科大学耳鼻咽喉科客員教授)

登録日: 2020-06-18

最終更新日: 2020-06-16

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舌下免疫療法では口内炎等口腔内の局所反応が起こりえます。口腔内の治療を要するものの頻度,舌下免疫療法の中止が必要なものの頻度はどの程度でしょうか。またそれらに対する予防や対策,治療についてご教示下さい。(千葉県 K)


【回答】

 【ほとんどの場合で2週間以内に出現しなくなる】

舌下免疫療法では口腔内にアレルゲンを投与するため,投与局所のアレルゲン反応による副反応が起こります。特に,軽微な副反応は多く出現します。主な副反応は浮腫,違和感や瘙痒感などで,その頻度は10%を超えます。口内炎も数%以内で出現します。投与するアレルゲン量により異なり,アレルゲン量が多くなると頻度も重症度も増加します。

口内炎は時に軟膏などの局所治療も勧められますが,通常の口腔内副反応は治療することなく15分程度で消失します。また,繰り返し起こっても,重篤でなければ治療を中止せずに継続することにより,ほとんどの場合で2週間以内に出現しなくなります。2カ月以上継続する軽微な副反応の頻度は1~2%です。ただし,口腔粘膜上皮の欠損を伴う口内炎ではアレルゲンが粘膜下に直接入るため,1週間程度の投与中止も考慮します。特に投与部位の口内炎には注意をします。

口腔内副反応を予防する手段はありませんが,抗ヒスタミン薬を併用すると副反応を軽減できます。ダニの通年性アレルギー性鼻炎では,舌下免疫療法開始前から鼻症状があります。舌下免疫療法の効果出現には数カ月以上かかりますので,症状軽減の目的にも治療初期に抗ヒスタミン薬を連日併用することを勧めます。維持期で安定して鼻症状も少なくなれば,抗ヒスタミン薬投与は不要となります。なお,スギ花粉の治療薬では副反応も軽く,花粉の非飛散期には症状がないので,抗ヒスタミン薬の投与は不要と考えます。

【回答者】

湯田厚司 ゆたクリニック院長/ 滋賀医科大学耳鼻咽喉科客員教授

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