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新型コロナな日々 part 2[なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(302)]

No.5012 (2020年05月16日発行) P.70

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2020-05-13

最終更新日: 2020-05-12

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常々、講義内容に即したレポートを課しておられる先生は偉いと思っている。なんせ、そういうのはほとんどが同じような内容になるので、読んでいて退屈でたまらない。100人分ともなると苦痛でしかない。

なので、毎回、レポートではなくてアンケートを提出させている。講義内容に関する質問や、どこが面白かったとかわかりにくかったとか。それよりも、何でもいいから、私を楽しませるようなできるだけおもろい内容を書いてほしいと伝えてある。

といっても、例年、おもろいことを書いてくる子はさして多くない。それが今年の遠隔授業ではいちだんと顕著である。家に閉じ込められているのだから無理もない。う~ん、つまらん。しかし、読んでいると、活動に一定の傾向があることがわかってくる。

自炊とか筋トレを始めました、という子がやたらと多い。なるほど、家の中で手軽にできて役にたちそう、というとそんなところになるんだろう。それから、Zoom飲み会もずいぶんと増えてきているようだ。

私とて、似たようなものである。何年ぶりかでチャーハンを作ってみた。かなり美味しかった。どや、と妻に自慢したら、それだけの材料で時間をいっぱいかけたら美味しいのはあたりまえです、主婦はそんなことはしないのです、と言い返された。

筋トレはしてないけれど、前回に書いたようにストレッチはたっぷりしている。それに、公園での朝のラジオ体操とその後の散歩も鉄板の日課になっている。

Zoom飲み会も結構楽しい。ただ、これはやりすぎないように注意が必要だ。出かけないですむから、お手軽すぎる。その上、そのまま寝たらええわ状態なので、つい遅くまでだらだらと飲み過ぎる。Zoom飲み会依存症に注意、という注意喚起は間近かも。

遠隔講義では、学生達の反応を見たいので、みんなの顔がビデオで見えるようにしてある。学生同士も見ることができる。家でも化粧している女の子がいるとアンケートに書いてくる男子がいて、講義中にどこ見てんねんと、ちょと腹が立つ。でも、画面越しにあこがれの彼の姿を見ることができて幸せな気持ちになりました、と書く女子がいたりすると、なんだか嬉しくなってくる。

みんなそれぞれにしんどいけど、なんか楽しみを見つけながら忍んでいくしかないということですね。

なかののつぶやき
「新型コロナウイルス、しぶといですね。生活への影響も大きいです。けど、個人的には在宅仕事になって、さして不便はありません。というよりも、通勤がなくなった分だけ、普段よりも楽なくらいで、元に戻る時にリハビリが必要な気がしてきています。学生たちも、きっとそんな感じでしょう。不登校の子も増えるんじゃないかと心配です。新型コロナの影響、まだまだ続きそうです」

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