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【識者の眼】「コロナ流行終息はいつか?」岡本悦司

No.5012 (2020年05月16日発行) P.62

岡本悦司 (福知山公立大学地域経営学部長)

登録日: 2020-05-01

最終更新日: 2020-05-01

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新型コロナウイルス感染症の流行をめぐって2つのニュースが報じられた。一つはわが国の悪いニュースで、5月6日までとされた緊急事態宣言が流行終息のメドがたたないことから、約1カ月延長される見通しというもの。もう一つは韓国からのいいニュースで、韓国内の新感染者数が72日ぶりにゼロとなった。コロナ流行の面で韓国はわが国より先を走ってきたが、流行終息の点でもわが国より先行したといえる。わが国の流行終息の見通しはどうなるのだろうか?隣国のエビデンスが示唆を与えてくれるかもしれない。

世界的なパンデミックとなったコロナ感染をめぐっては、各国の検査数、感染者数そして死亡数が日単位で公表され、集計されたファイルがネット上で公表されている(https://ourworldindata.org/coronavirus)。それらの時系列データをグラフ化して観察するだけでも、いろいろな示唆がえられる。

第一に驚かされるのは、欧米とアジア(日中韓)との間の感染率、死亡率の極端な差である。その差は対数目盛りを使わなければならないほどで、同じウイルスによるものとは思えないほどだ。その理由として、BCG接種や医療制度の違いが指摘されているが、同じ先進国において、これだけの差をもたらすとは考えにくい。多民族国家アメリカでも、とりわけ死亡率については明確な人種差が認められており、その理由として、たとえば黒人は糖尿病等の合併症が多いことが指摘されている。それにしてもこれほどの差が生じるだろうか? ウイルスへの感受性に人種差があるのではないか?そう考えるのは筆者一人ではないはずだが、やはり人種を持ち出すことはタブーなのかもしれない。

そしてもう一つ、日韓の感染者数の推移を眺めると、そのパターンはきわめて類似している。韓国のデータを42日だけ遅らせ、わが国と重ねたものが図である。目盛りはやや異なるものの、欧米との間のような対数目盛りを使わなければならないほどの違いではない。コロナ対策をめぐって両国のアプローチは大きく異なるが、もしわが国が韓国と同じパターンをたどるとすれば、6月10日くらいには発生ゼロに到達できることになる。緊急事態宣言の1カ月延長が何を根拠に決められたかは不明だが、この予言が当たるなら、妥当な判断といえるかもしれない。

岡本悦司(福知山公立大学地域経営学部長)[新型コロナウイルス感染症]

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