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単孔式腹腔鏡下副腎摘除術

No.5009 (2020年04月25日発行) P.56

武田利和  (慶應義塾大学泌尿器科講師)

登録日: 2020-04-26

最終更新日: 2020-04-21

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【低侵襲かつ整容性に優れているが,術者経験などが必要で難度は高い】

腹腔鏡下副腎摘除術は副腎腫瘍に対する標準術式として定着しているが,さらなる低侵襲をめざし,単孔式腹腔鏡下副腎摘除術への関心が高まってきている。マルチチャネルシングルポートを臍または臍より患側から挿入して手術を行うが,臍をアプローチとして用いることにより,より整容性に優れた術式となる。しかし,臍からのアプローチは副腎との距離が増し,難易度は上がる。

単孔式手術を行うためには,単孔式手術に適したテクニックと手術器具が必要となる。テクニックとしては体腔内で鉗子をクロスさせるクロスオーバーテクニックが重要で,鉗子をクロスさせることにより鉗子の干渉を避けることができる。また,クロスオーバーテクニックの際には少なくとも1本は屈曲する鉗子を用いることが必要となる。

わが国からの泌尿器単孔式腹腔鏡下手術の多施設共同研究の結果報告によると,177例の副腎摘除術に関してポート追加例はあるものの,開腹移行例は1例もなかったと報告されている1)。どのような患者が単孔式腹腔鏡下副腎摘除術に適しているかについての一定の見解はないが,腫瘍サイズ5cm以上と術者経験12件以内が手術時間延長因子であると報告されている2)。低侵襲かつ整容性に優れている単孔式腹腔鏡下副腎摘除術のメリットは大きいが,大きな腫瘍や経験の浅い術者は無理せずポートを追加し,常に安全な手術を心がけるべきである。

【文献】

1) Sato F, et al:Int J Urol. 2017;24(1):69-74.

2) Hirasawa Y, et al:Surg Endosc. 2014;28(10): 2911-9.

【解説】

武田利和 慶應義塾大学泌尿器科講師

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