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光線過敏症[私の治療]

No.4985 (2019年11月09日発行) P.51

川田 暁 (近畿大学医学部皮膚科教授)

登録日: 2019-11-07

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  • 光線過敏症は日光中の紫外線または可視光によって惹起される皮膚疾患をいう。内因性と外因性に分類される。内因性疾患には遺伝性疾患(色素性乾皮症),代謝性疾患(皮膚型ポルフィリン症),アレルギー性疾患(日光蕁麻疹,多形日光疹,慢性光線過敏性皮膚炎),原因不明(種痘様水疱症)がある。外因性疾患には薬剤性光線過敏症,光接触皮膚炎がある。

    ▶診断のポイント

    【症状】

    日光に曝露する部位(露光部位)に皮膚症状が限局しているときに光線過敏症を疑う。露光部位とは,顔面・耳介・頸部・四肢伸側・手背・足背である。それぞれの疾患において原因となる光線の種類(作用波長)が異なる。

    色素性乾皮症では,幼児期から乾燥皮膚と小型の黒褐色色素斑が多発する。6~7歳から基底細胞癌,有棘細胞癌,悪性黒色腫が多発する。同時期から種々の神経障害,四肢の拘縮,難聴などを発症する。作用波長はUVA・UVB・UVCである。

    皮膚型ポルフィリン症では,痛みを伴う紅色丘疹・水疱・痂皮がみられ,小型の瘢痕を残す。皮膚型ポルフィリン症の主なものとして,骨髄性プロトポルフィリン症と晩発性皮膚型ポルフィリン症がある。両者ともUVAの一部と可視光が作用波長である。1型骨髄性プロトポルフィリン症では,しばしば重篤な肝障害(急性肝不全)を合併し,致死的となる。フェロケラターゼの遺伝子異常による常染色体優性遺伝性疾患である。晩発性皮膚型ポルフィリン症はウロポルフィリノーゲンデカルボキシラーゼの活性低下によって生じる。中高年の男性でC型肝炎やアルコール多飲者に好発する。

    種痘様水疱症では,水疱・びらん・痂皮がみられ,水痘様を呈する。慢性のEBウイルス(epstein-barr virus)感染が関与し,一部では悪性リンパ腫などを合併する。作用波長はUVAである。

    多形日光疹と慢性光線過敏性皮膚炎では,紅斑・丘疹・鱗屑・苔癬化・かゆみなどの多彩な急性~慢性湿疹の病変がみられる。作用波長はUVBまたはUVAである。

    薬剤性光線過敏症と光接触皮膚炎では,境界明瞭な紅斑・小水疱・鱗屑・強いかゆみがみられる。作用波長はUVAである。薬剤性光線過敏症の原因薬剤はニューキノロン系抗菌薬,ピロキシカム,テガフール,塩酸チリソロール,ダカルバジンなどが多い。降圧薬の配合剤のうちのヒドロクロロチアジドも増加傾向にある。光接触皮膚の原因薬剤はケトプロフェン(ゲル,テープ,湿布)が多い。

    【検査所見】

    光線テスト,光パッチテスト,内服照射試験,血中と尿中のポルフィリン体の検査,遺伝子解析などを行う。

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