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癜風[私の治療]

No.4983 (2019年10月26日発行) P.45

齋藤磨美 (東京医科大学皮膚科学分野)

原田和俊 (東京医科大学皮膚科学分野准教授)

登録日: 2019-10-27

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  • 皮膚常在真菌であるMalassezia globosaが菌糸形で増殖し発症する。主として躯幹,上肢に粃糠様落屑を伴い,淡褐色斑ないしは脱色素斑をきたす疾患である。

    ▶診断のポイント

    胸部,背部から上肢にかけて,5~20mm大の淡褐色斑あるいは,脱色素斑が多発,しだいに融合して不規則なまだら状になる。癜風(pityriasis versicolor, tinea versicolor)の“versicolor”とは「色が変化する」の意味であり,健常皮膚の色調が濃い場合は脱色素斑(白色癜風)が,色調が薄い場合は褐色斑(黒色癜風)が現れる傾向がある(図1)。

    病変部位のMalassezia globosaの菌糸要素が多くなると,鱗屑の剝離は容易となり,軽く擦過するだけで大量の粃糠様落屑を認める(カンナ屑現象)。全世界に分布し,思春期以降,夏季に多く,通常自覚症状はない。

    Malasseziaは増殖に脂質が必要で,脂漏部位に多く存在する二形性真菌(菌糸形-酵母形)である。常在菌ではあるが種々の皮膚疾患と関連があり,癜風では菌糸形を,健常皮膚およびマラセチア毛包炎,脂漏性皮膚炎では酵母形をとることが多い。

    【検査所見】

    病変部をメスで軽くこするか,セロハンテープを病変部に貼り,鱗屑を採取する。鱗屑をKOH直接検鏡法で観察すると,短いやや屈曲した菌糸と球状の胞子(スパゲティとミートボール現象)を認め,診断に至る。

    Malasseziaを観察する際は,菌糸形ではKOH直接検鏡法のみでも観察可能だが,酵母形では油滴と区別が困難なので,メチレンブルー(0.2%メチレンブルー/0.2M酢酸緩衝液pH 3.5)やズームブルー®(久光製薬)で染色し鏡検を行う(図2)。その際,通常の糸状菌は顕微鏡の絞りを小さくするが,Malasseziaでは絞りを最大に開放したほうが染色した菌要素を検出しやすい。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    治療は,アゾール系抗真菌薬がminimum inhibitory concentration(MIC)が低く奏効する。第一選択はケトコナゾール(ニゾラール®)クリームの外用であるが,病変が広範囲の場合はイトラコナゾール(イトリゾール®)100mg/日の内服も行われる。癜風に保険適用がある経口抗真菌薬は,現在のところイトラコナゾールのみである。処方の際には併用禁忌薬,併用注意薬および肝機能障害に留意する。

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