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患者中心の医療の方法─「病い体験」を探る 患者の語りを統合して理解する[プライマリ・ケアの理論と実践(36)]

No.4983 (2019年10月26日発行) P.8

今江章宏 (寿都町立寿都診療所所長)

登録日: 2019-10-24

最終更新日: 2019-10-23

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SUMMARY
患者の「病い体験」は,単に医師が患者に治療方針の説明をして納得してもらうために必要な病歴の補足情報ではない。患者の全体を統合してとらえるための重要な手がかりであり,医療に物語りとしての視点をもたらす。

KEYWORD
間主観性
「現実は人間の社会的相互作用や関係性によって構成される」という社会構成主義に基づき,「意味」の理解を複数の主観の共同化による高次の主観により行おうとする考え方

今江章宏(寿都町立寿都診療所所長)

PROFILE
北海道大学卒業。北海道家庭医療学センターの専門研修・フェローシップを修了し,2017年度より現職。人口3000人の町の有床診療所で家庭医のグループ診療により北海道の僻地医療に従事。日本プライマリ・ケア連合学会家庭医療専門医・指導医。

POLICY・座右の銘
状況を変えたければ,まず自分が変わること

1 『患者中心の医療の方法』実践の入り口

「患者中心の医療の方法(patient-centered clinical method:PCCM)」を日々の医療面接で実践する際に,コンポーネント1「疾患(disease)・病い体験(illness)・健康(health)を探る」は,その入り口となる(図1)。

「疾患」は病態生理に基づく病歴・身体所見・検査所見などの医学的な概念である。「病い体験」は個々の患者により異なる主観的な経験であり,「解釈(idea)」「期待(expectation)」「感情(feeling)」「生活機能への影響(function)」に分類される。さらに「健康」が直近の改訂版1)で新たに加わり,「目的(aspiration)」「意義(meaning)」に分類される。

本稿では「病い体験」を探るにあたり特に留意すべき点を挙げる。

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