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子宮内膜病変における拡散強調像の有用性

No.4981 (2019年10月12日発行) P.57

名川恵太 (武蔵野赤十字病院放射線科)

登録日: 2019-10-14

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【子宮腫瘍の画像診断におけるDWIとADC mapの位置づけ】

子宮病変におけるMRI検査は,T2WIを中心に拡散強調像(diffusion weighted image:DWI)とapparent diffusion coefficiency(ADC) map,dynamic MRIが一般的となっている。

DWIは対象組織における水分子の拡散の制限,すなわち拡散障害をとらえ,その程度をADC値として定量化できる。これらは腫瘍の局在や深達度評価,質的診断に有用とされている。

一般的に子宮体癌は細胞密度が高く,拡散障害を示すことが多い。正常な子宮内膜がADC値1.45±0.25×10−3秒/mm2であるのに対し,内膜癌では0.88±0.19×10−3秒/mm2と低値を示し,有意差が認められた1)。子宮内膜・内腔病変の鑑別においてADC値のcut off値を1.15×10−3秒/mm2に設定すると,良性と悪性疾患とを判別できるとしている2)。ただし,両者に有意差がないとする報告3)もあり,ADC値は鑑別の一助となるというスタンスがよいように思われる。

DWIのピットフォールとして,DWIはT2WIをベースとした画像のため,もともと低信号域病変はDWIで高信号を示さず,ADC mapも低信号域を示す。この場合はT2 black outに相当し,拡散障害ととらえてはいけないことに留意する。

【文献】

1) Wang J, et al:J Comput Assist Tomogr. 2010; 34(3):332-7.

2) Fujii S, et al:Eur Radiol. 2008;18(2):384-9.

3) Davarpanah AH, et al:Abdom Radiol(NY). 2016; 41(12):2466-75.

【解説】

名川恵太 武蔵野赤十字病院放射線科

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