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■NEWS 社会保障抑制、中長期的視点からも給付と負担の見直し「緩めず」―財政審建議

No.4966 (2019年06月29日発行) P.65

登録日: 2019-06-20

最終更新日: 2019-06-20

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財政制度等審議会(会長:榊原定征 東レ特別顧問)は19日、令和時代の税財政運営の考え方を示した建議(意見書)を取りまとめ、麻生太郎財務相に提出した。

今年10月に社会保障費の安定財源の確保を目的として消費税率の引上げが予定されるが、建議では「依然として国債発行に依存する姿に変わりはない」として、社会保障費の伸びの抑制と負担の見直しに取り組むことが「不可欠」と強調。社会保障費の伸びについては、高齢化等に伴う増加分の範囲に収める従来の方針を継続すべきだとした。ただし、抑制の目安となる数値は示していない。

社会保障費の中長期的な動向を巡っては、65歳以上人口がピークを迎える2040年頃以降、伸びが落ち着くとの見方もあるが、建議は医療がさらに高度化し、75歳以上人口は40年以降も一貫して増加が見込まれると指摘。伸びの「自動的な抑制」を前提に給付と負担の見直しを軸とした改革の手綱を緩めるべきでないとしている。

医療改革の方向性としては、昨秋の建議に引き続き、①保険給付範囲の在り方の見直し、②保険給付の効率的な提供、③高齢化・人口減少下での負担の公平化―の3つの視点から早急に取り組むべき施策を並べた。

公的給付に関しては、少額受診に一定程度の追加負担を課し、かかりつけ医・かかりつけ薬局等への誘導策として「定額負担に差を設定することも検討を進めるべき」とした。診療報酬については「仮に1%適正化すると4600億円医療費が抑制される」(19年度予算ベース)などの数値を示しつつ、国民負担軽減の観点から「合理化・適正化等を進めていく必要がある」と提言している。

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