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胃がん診療における最近の話題[内科懇話会]

No.4965 (2019年06月22日発行) P.38

司会: 三木一正 (一般社団法人日本健康増進財団代表理事)

演者: 今枝博之 (埼玉医科大学消化管内科教授)

登録日: 2019-06-21

最終更新日: 2019-06-19

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  • 【司会】三木一正(一般社団法人日本健康増進財団代表理事)
    【演者】今枝博之(埼玉医科大学消化管内科教授)

    ヘリコバクター・ピロリ(Hp)除菌後もがんの発生はありうるが,定期的なフォローによって早期発見ができ,多くは内視鏡治療が可能

    胃がんの早期発見において内視鏡検診はX線検診よりも明らかに有用であるが,全国どこでも一定の質を保った検診を行うという点では多くの課題を抱えている

    胃がんリスク層別化検査の有用性は疑いようがないものの,Hp除菌の適用拡大による見かけ上のA群弊害が出てきている

    NBI拡大観察による早期胃がんの診断はきわめて有用である

    近い将来,AIを用いた胃がんの検出と診断が可能となり,見落としのない内視鏡検査が期待される

     胃がん早期発見における定期的なフォローの重要性

    胃がんの危険因子は99%がヘリコバクター・ピロリ(Hp)で,ほとんどすべての胃がんに関係していると言われています。図1 1)は2001年にNew England Journal of Medicineに掲載された非常に有名な報告です。Hpがいる人といない人で経過を追うと,Hpがいる人だけにがんが発生したという報告です。この論文が与えたインパクトは大きく,Hpを除菌すれば胃がんの発生率が下がるのではないかという仮説のもと様々な報告が出てきました。

    中国の論文では,特に消化性潰瘍が見つかったあとに除菌を1年以内に行った場合と,除菌を1年以後に行った場合で比較すると,早期に行ったほうが胃がんの発症率が下がるという結果が出ています。また,早期胃がん内視鏡治療後に除菌をしたほうが異時性多発がんの発生率が1/3ぐらい下がったというわが国の研究もあります。

    では除菌をしたあと,胃がんは発生しないかというと,時間の経過に従って少し発生します。10年以上経っても発生します。1年ごとに定期的にフォローし,早期発見できれば多くは手術することなしに内視鏡治療が可能です。「除菌したからもう大丈夫」と放置すると,場合によっては進行がんで見つかってしまうことになります。除菌後いつまでフォローするかという問題はありますが,患者が元気なうちは定期的なフォローを勧めています。

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