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■NEWS 臨床系教員は「専門業務型裁量労働制を基本に」―医学部長病院長会議

No.4964 (2019年06月15日発行) P.64

登録日: 2019-06-03

最終更新日: 2019-06-03

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全国医学部長病院長会議(AJMC)は5月31日、総会終了後の会見で、大学医学部・大学病院に勤務する臨床系教員の働き方について、専門業務型裁量労働制を基本とすることなどを柱とする提言を公表した。2024年度から適用される勤務医の時間外労働上限のうち、研修医の技能向上や地域医療維持を念頭に設けられる特例水準(年1860時間)については「あくまで暫定的なもの」との認識に立ち、短縮に向けた早期の是正が必要としている。

提言では、助教以上の常勤教員の働き方について「研究者であり臨床医であるという業務の二重性が前提となる」と指摘。その上で、格段の健康確保措置を講じた上で、専門業務型裁量労働制を導入し、みなし労働時間を超える臨床業務に適正な処遇を行うとともに、研究の活力を損なわない勤務体制の確保がなされるべきとしている。

地域医療維持の観点から特例として許容される「地域医療確保暫定特例水準」については、適用される病院数を24年度の段階で最小限とし、24年度以降も数値目標に沿って減少を進めることを提案。終了年限についても、厚生労働省が想定している35年度からの前倒しを求めた。

年1860時間を上限とする「集中的技能向上水準」のうち、初期・後期研修医を対象とした水準(C-1)では時間設定を「エビデンスに基づいて適正化する必要がある」とした。高度な技能の修得を望む医師などが対象の水準(C-2)では、対象となる診療領域と指定医療機関を早期に決定した上で適正な時間設定を行うべきとしている。

AJMC「大学病院の医療に関する委員会」の山本修一委員長(千葉大病院長)は、適正な時間設定に関して「現状では、労働時間と教育効果の関係を示すデータは何もない」と述べ、今後できる限り速やかにエビデンスの構築に取り掛かる必要があるとの認識を示した。

社員総会終了後に行われたAJMCの会見

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