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■NEWS がん遺伝子パネル検査の保険適用、ゲノム情報のデータ提出を要件に―中医協総会

No.4959 (2019年05月11日発行) P.67

登録日: 2019-04-24

最終更新日: 2019-04-24

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中央社会保険医療協議会総会は24日、多数の遺伝子を同時に検査してがん関連の変異を検出する「がん遺伝子パネル検査」の保険適用の要件として、検査を通じて得た患者のゲノム情報データの提供を医療機関に求めることを了承した。検査を実施した医療機関は、患者の同意を得た上で、遺伝子情報や臨床情報を、国立がん研究センター内の「がんゲノム情報管理センター」(C-CAT)に提出する。

がん遺伝子パネル検査を巡っては、昨年12月に「NCCオンコパネル」(申請者:シスメックス)と「FoundationOne CDx」(同:中外製薬)の2品目が薬事承認を受けており、近く保険収載が見込まれる。NCCオンコパネルを用いた臨床試験では検査実施例のうち治療薬の選択につながったのは1割強であり、現時点でパネル検査は治療に結びつくとは限らない。C-CATはがんゲノム情報と臨床情報を集約・管理し、データの二次利用を促進するためのプラットフォームで、医療機関からのデータ提出の要件化により、新たな治療法の開発や治療効果に影響を及ぼす変異の同定などが進むと期待される。

厚生労働省によると、患者の同意は、検査の実施、データの提出、C-CATによるデータの二次利用のそれぞれについて得る必要がある。ただし、データの提出や二次利用に患者が同意しなくても保険適用は認める方向で詳細な要件設定を検討するとしている。また、パネル検査機器を特定の医薬品の適応判定(コンパニオン検査)を目的として用いた場合は、パネル検査としての算定は認めないこととする。

24日の総会では、C-CATの運用を巡り、適切な情報の管理と利活用がなされるよう法整備を求める意見が出た

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