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■NEWS 治療用装具療養費で1億円超の不正請求―健保連調査

No.4955 (2019年04月13日発行) P.65

登録日: 2019-04-05

最終更新日: 2019-04-05

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医師の指示の下に作製され治療に使用される「治療用装具」を巡り、健康保険組合連合会(健保連)は4日、義肢・装具メーカーの松本義肢製作所(愛知県)が約8年にわたり約11700万円の医療保険(療養費)の不正請求を行っていたとの調査結果を公表した。健保連は今回の不正事案を「氷山の一角」と捉え、再発防止に向けた制度改正の必要性を主張している。

健保連によると、松本義肢は200714年の間、市販靴にインソールを挿入するなど簡易加工を施した装具を患者に2足販売しながら、療養費申請時に添付する領収書に「オーダーメイドの靴型装具1足」と記載する手法を繰り返すことで、実際の保険対象額(インソール1足分)より過大な額を受け取っていた。事実と異なる記載は、療養費申請に必要な医師の証明書(作製指示と装着証明)でも確認された。

不正請求は健保連が2017年に関知し、発覚した。被害は全国145の保険者に及んでおり、総額は1642件・116949537円。昨年11月までに健保連が特定できた分だけでも1136件・63636719円に上る。ただし、特定できた不正額の約90%は返還されたという。

健保連は今後、医師の証明書様式の見直しや治療用装具療養費の支給基準の明確化など、不正防止の強化に向けた制度改正を厚生労働省に強く求めていく方針。

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