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■NEWS 【地域医療連携推進法人】初の連絡会議が開催、取り組みと課題を共有―病床の融通・機能転換を4法人が構想中

No.4947 (2019年02月16日発行) P.21

登録日: 2019-01-28

最終更新日: 2019-01-28

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地域内の複数の医療法人、社会福祉法人、個人開業医などが社員として参画して1つの法人を形成し、医療機関相互の機能分担と連携を進める「地域医療連携推進法人制度」。厚生労働省は1月25日、推進法人の代表者や設立を認可した県行政の担当官、推進法人の地元県医師会の役員らを一堂に集め、初の連絡会議を開催。各法人の事業の現状と運用上の課題について、情報共有と意見交換が行われた。

地域医療連携推進法人制度は、団塊の世代が75歳以上になる2025年を見据えた「地域医療構想」の実現に向け、医療・介護サービスを効率的に提供するための選択肢として、174月の医療法改正で創設された。今年1月現在、全国で7法人()が認定されている。連絡会議には7法人すべての代表者が出席した。

■法人の形態・事業は七者七様

7法人はそれぞれ、サービスを提供する医療圏の人口、参加する法人の数・規模、中核を成す法人の開設主体などが異なり、事業の内容も七者七様だ。連携推進法人の利点とされる事業のうち、法人内での職員の共同研修・人事交流、職員の派遣については、7法人すべてが「実施中」または「実施予定」とした。

藤田医大病院を中心に発足した「尾三会」(愛知)は、医薬品・医療機器の共同購入のほか、医薬品の一括価格交渉、医療事故対応でも法人内で連携を取っていると報告。公立の日本海総合病院を核に地域の三師会も参画する「日本海ヘルスケアネット」(山形)では、地域フォーミュラリー(共通の医薬品使用指針)を作成し、昨年11月から導入したことなどが紹介された。

■介護人材の確保・養成が全国共通の課題

民間の亀田総合病院などが中心となる「房総メディカルアライアンス」(千葉)の亀田信介代表理事は、法人に公立病院が加わったことで「これまで民間から公立へ医師や医療職を派遣する際には何かと面倒があったが、かなりスムーズになる」と報告。一方で、人口の急減が見込まれる医療圏では、介護人材の確保・養成が医療職の確保以上の深刻な問題となっているとし、人材養成機能の強化の必要性を指摘。介護人材の確保については、圏域に大都市を擁する尾三会の湯澤由紀夫理事も同じ問題意識を示し、全国的な課題であることが確認された。

■病床の融通には「弾力的な運用」求める声

連携推進法人制度で可能となる“目玉”の事業の1つが、参加施設内での病床の融通や変動(病床機能の転換)だ。現時点で実施している法人はないが、連絡会議では4法人が「実施予定」とした。日本海ヘルスケアネットは日本海総合病院で休床中の急性期病床を慢性期病床が不足する他病院へ融通する計画を「構想中」。はりま姫路総合医療センター整備推進機構(兵庫)は県立姫路循環器病センターと製鉄記念広畑病院の統合、医療戦略研究所は介護療養病棟から介護医療院への変更、房総メディカルアライアンスは富山国保病院の急性期病床の地域包括ケア病床への転換を、それぞれ検討中だという。

医療戦略研究所の石井正三代表理事は、病床の融通を行う上での課題として「融通しようとすれば施設基準を満たせなくなるケースがある」と“施設基準の壁”を指摘。日本海ヘルスケアネットの栗谷義樹代表理事も、融通の手続きの円滑化と弾力的な運用を厚労省に求めた。栗谷氏はさらに、安定した経営が地域包括ケアの基盤にあるとした上で、診療報酬・介護報酬についても「過疎化が進み、医療・介護を取り巻く環境が厳しくなる中、法人内での再分配機能が重要になる」と強調した。

表 全国の地域医療連携推進法人(2018年1月現在)
名称 圏域
尾三会 愛知県下13市町
はりま姫路総合医療センター整備推進機構 兵庫県中播磨・西播磨医療圏
備北メディカルネットワーク 広島県三次市・庄原市
アンマ 鹿児島県大島郡瀬戸内町・宇検村
日本海ヘルスケアネット 山形県庄内医療圏
医療戦略研究所 福島県いわき医療圏
房総メディカルアライアンス 千葉県安房医療圏

7法人の代表者らが取り組み内容を報告し合った連絡会議

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