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無痛分娩:硬膜外麻酔 vs.レミフェンタニル

No.4943 (2019年01月19日発行) P.53

君塚基修 (札幌医科大学麻酔科)

登録日: 2019-01-21

最終更新日: 2019-01-15

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【安全性の向上には麻酔科医の関与が重要】

無痛分娩は出産に伴う痛みの軽減,体力の温存,循環動態の変動を抑制できる,という利点がある。その方法は,硬膜外麻酔もしくは脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔が一般的であるが,レミフェンタニルを用いた無痛分娩に関する論文も少なくない。
レミフェンタニルと硬膜外麻酔による無痛分娩を比較したメタアナリシスによると,母親の満足度,2〜3時間後の痛みの強さ(VAS),嘔気・嘔吐,帝王切開への移行率,呼吸抑制,新生児のApgar scoreに有意差はなかった。しかし,低酸素血症の発生率と1時間後のVASはレミフェンタニル群で高く,痒みは硬膜外麻酔群で多い,という結果であった1)

近年,わが国での無痛分娩は増加傾向にあるが,いまだに全分娩の約6%にすぎず,欧米に比べて普及が進んでいない。さらに,硬膜外麻酔に伴う合併症の可能性,今後,抗凝固療法の適応拡大による硬膜外麻酔施行困難の症例が増加することを考慮すると,将来的にレミフェンタニルを用いた無痛分娩の割合が増加するであろう。ただし,その場合は呼吸状態のモニタリングが必要不可欠であり,気道管理の安全性の担保という面から,今まで以上に麻酔科医の積極的な関与が重要となる。
今後のわが国における無痛分娩の普及は麻酔科医にかかっていると言っても過言ではない。

【文献】

1) Lee M, et al:J Clin Anesth. 2017;39:57-63.

【解説】

君塚基修 札幌医科大学麻酔科

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