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直腸癌に対するロボット支援下手術

No.4943 (2019年01月19日発行) P.52

小島 豊 (順天堂大学下部消化管外科准教授)

坂本一博 (順天堂大学下部消化管外科教授)

登録日: 2019-01-19

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【繊細かつ安定した操作で安全な手術が可能。排尿・性機能の回復が早いという報告も】

ロボット支援下手術は世界的に普及しつつあり,その代表的な機器が1990年代に米国で臨床機器として開発されたda Vinci® surgical systemである。わが国では2009年11月に薬事承認された後導入され,現在では世界第2位の保有国となっている。18年4月からは,今まで泌尿器科領域のみで保険収載されていたのが,その有用性から消化器外科を含む多くの領域で保険収載されるようになり,多くの施設で直腸癌に対してもロボット支援下手術が施行されている。

ロボット支援下手術では,鮮明な3Dハイビジョン拡大画像が得られる。また,ロボット鉗子は7自由度多関節を有し,人間の手より広い可動域と手ぶれ防止機能により,より微細かつ正確な操作が可能である。直腸癌に対する手術では排尿機能や性機能障害が問題になることがあるが,それらの機能を司る自律神経の温存が合併症を軽減するために必要となる。これらの神経は狭い小骨盤腔内に存在し,その操作には注意が必要である。ロボット支援下手術では先に述べた機能があることで,より繊細かつ安定した操作で,安全な手術が可能である1)。排尿機能,性機能の回復が早いという報告もある2)。現在では高額な医療費がかかることが問題点となっており,今後の先進医療の適応や保険収載が期待される。

【文献】

1) Baik SH, et al:Ann Surg Oncol. 2009;16(6):1480-7.

2) Kim JY, et al:Ann Surg Oncol. 2012;19(8):2485-93.

【解説】

小島 豊*1,坂本一博*2  順天堂大学下部消化管外科 *1准教授 *2教授

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