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特集:精神疾患と神経炎症の関係

No.4942 (2019年01月12日発行) P.27

監修: 門司 晃 (佐賀大学医学部精神医学講座教授)

登録日: 2019-01-14

最終更新日: 2019-01-09

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監修:門司 晃(佐賀大学医学部精神医学講座教授)

■監修のことば

2013(平成25)年度に精神疾患がわが国の医療法の医療計画上の重要疾病として位置づけられ,がん・脳卒中・心筋梗塞・糖尿病の“四大重要疾病”の時代から,“五大重要疾病”の時代となった。従来の“四大重要疾病”のうつ病合併率は高く,さらにうつ病の合併によって原疾患の予後が不良となることもよく知られている。“急性炎症”の四主徴である発赤・熱感・腫脹・疼痛を必ずしも示さない“慢性炎症”は細菌やウイルスなどの病原体だけでなく,壊れた細胞に由来する因子や生体異物によって引き起こされる“非感染性炎症”を含んでいる。慢性炎症が“四大重要疾病”の病態生理に重要な役割を果たすことは明らかにされているが,うつ病や統合失調症などの代表的な精神疾患の病態生理にも近年,“慢性炎症”のメカニズムが関与している可能性が,細胞・動物・ヒトなど様々なレベルの研究で証明されつつある。このことは,いまだ客観的なバイオマーカーを有しない精神疾患の診断や治療のブレークスルーとなる可能性をはらんでいる。本特集の内容が精神疾患の病態生理解明に,新しい視点を開くものとして,多くの臨床諸家に認識して頂ければ幸いである。

■目次

1うつ病と認知症の共通病態としての神経炎症
溝口義人(佐賀大学医学部精神医学講座准教授)
門司 晃(佐賀大学医学部精神医学講座教授)

2統合失調症と神経炎症
宮岡 剛(島根大学医学部精神医学講座准教授)

3精神疾患に対する抗炎症療法の可能性
岩田正明(鳥取大学医学部脳神経医科学講座精神行動医学分野准教授)

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