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日本の少子化と医療[炉辺閑話]

No.4941 (2019年01月05日発行) P.74

住友直方 (埼玉医科大学国際医療センター小児心臓科教授)

登録日: 2019-01-05

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日本の少子化が進んでいる。これにはいろいろな要素があるが、女性の未婚率の上昇、晩婚化、結婚している女性の出生率低下などが原因として考えられている。2010年には25~29歳の未婚率は男:女で71.8%:60.3%、30~34歳でも47.3%:34.5%である。出生数も1970年代初めに年間200万人であったのが、2017年には94万人に減少している。小児科医にとっては由々しい事態であるが、将来の働き手が減少するという意味で、日本の将来にとっても大きな問題である。政府も2003年にやっと少子化社会対策基本法を立ち上げたが、遅きに失した感がある。少子化が進むと同時に平均寿命も延び、超高齢社会を迎えることとなった。これにより、人口の1割を占める70歳以上の高齢者が国民医療費の1/3を占め、これが2025年には人口で2割の高齢者が医療費の半分を使う計算になると予想されている。

北欧やフランスでも2000年までは少子化が進んでいたが、政策により出生率が改善している。フランスでは家族給付水準が手厚く、第3子以上を持つ家族に有利になっており、経済的支援に加え、1990年代から保育の充実も行うことによって、出産、子育て、就労に関して幅広い選択ができる「両立支援」の環境が進んでいる。スウェーデンでも40年近くに渡り経済的支援、両立支援を行ってきたが、さらに多子加算を使用した児童手当、収入補填制度を含む育児休業制度、保育サービスなどの支援制度を整備している。フィンランドでは子育て支援制度を市町村が支援する制度を実施している。米国では税制の所得控除、民間の保育サービスの充実、子育て後の再雇用、キャリアの継続が容易で、男性の家事参加が高いなどの理由で、出生率は高いままである。

今後の日本の将来を考えるのであれば、このような対策をできるだけ早く、強力に推し進めていく政策が必要である。

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