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佐藤式彎曲型咽喉頭鏡

No.4940 (2018年12月29日発行) P.53

堀 健志 (山口大学耳鼻咽喉科)

山下裕司 (山口大学耳鼻咽喉科教授)

登録日: 2018-12-31

最終更新日: 2018-12-20

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【佐藤式彎曲型咽喉頭鏡が普及することで,これまで観察困難であった咽喉頭の病変が経口的に観察,手術可能となった】

佐藤式彎曲型咽喉頭鏡は喉頭を前方へ押し上げることで,通常は閉鎖しているために観察や操作が困難な下咽頭内腔の広い視野を得ることが可能になる1)。これにより,悪性腫瘍病変のみならず様々な咽頭病変に対しても広く応用されるようになってきている。

頭頸部表在癌に対する経口的切除術は,当科では2008年頃から中・下咽頭癌や喉頭癌に対して行ってきている。内視鏡的咽喉頭手術(ELPS)や経口的咽喉頭部分切除術(TOVS)が代表的な術式であるが,いずれも手術侵襲が少ない点や,音声や嚥下の機能温存が期待できる点,条件次第ではあるが再手術も可能である点,などの利点が挙げられる。

狭義のELPSでは,佐藤式彎曲型咽喉頭鏡で展開した術野を,消化器内視鏡医が拡大視機能に優れた撓性内視鏡を用いて確保するが,当科では,耳鼻咽喉科医が先端可変型硬性内視鏡を用いて術野を確保することで経口腔切除術を行う。

近年,小顎傾向が強いなどの理由で既存の直達喉頭鏡では展開困難な症例が頻繁にみられるようになり,喉頭微細手術においても彎曲型咽喉頭鏡を用いる場面が増えてきた。

このように,咽喉頭病変に対する経口腔切除術において非常に重要な役割を担う佐藤式彎曲型咽喉頭鏡は,さらなる適応の拡大が期待できる手術器械である。

【文献】

1) 佐藤靖夫, 他:日耳鼻会報. 2006;109(7):581-6.

【解説】

堀 健志,山下裕司 山口大学耳鼻咽喉科 *教授

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