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知っておきたい難聴・耳鳴【電子版付】 原因・診断・治療・予防・補聴器選びまで

非耳鼻科医が対応すべき「難聴・耳鳴」とは? かかりつけ医が身につけておきたい内容がこの1冊に!

定価:5,280円
(本体4,800円+税)

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編著: 佐藤 宏昭(岩手医科大学医学部耳鼻咽喉科学講座 教授)
判型: B5判
頁数: 224頁
装丁: 2色部分カラー
発行日: 2018年12月30日
ISBN: 978-4-7849-4788-1
版数: 第1版
付録: 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます)

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  • 高齢化の進行に伴い、一般内科のクリニックでも「耳鳴」や「難聴」の訴えが増加しています。
  • 本書では難聴に対する疫学・診断・治療だけでなく、患者さんの聴力・ニーズを考慮しどのように補聴器を選択すればよいかなども含め、かかりつけ医が身につけておきたい事項について幅広く解説。
  • さらに「感冒後に耳が詰まると訴えられたら?」「耳鳴に加えて回転性めまいを訴えられたら?」といった現場の疑問にもしっかり回答しています。
  • 岩手医科大学耳鼻咽喉科教室が最新のエビデンスに基づき執筆。かかりつけ医必携の一冊です。

第1章 難聴・耳鳴はなぜ起こるのか
第2章 検査と診断
第3章 治療
第4章 予防
第5章 難聴・耳鳴を診療するにあたって押さえておきたいこと

目次

第1章 難聴・耳鳴はなぜ起こるのか
1 聞こえる仕組み
2 難聴はなぜ起こるのか
3 耳鳴はなぜ起こるのか
4 難聴・耳鳴の頻度、年齢別有症率は?
5 全身性疾患と難聴

第2章 検査と診断
1 実地医科で行える難聴の評価法
 ①話声による評価
 ②囁語法聴力検査
 ③音叉による聴力検査
2 実地医科で行える耳鳴の検査
 ①慢性持続性耳鳴
 ②他覚的耳鳴
3 耳鼻咽喉科で行う検査
4 こんな時にはどうする?
 ①突然聞こえなくなった
 ②感冒後に耳が詰まる、聞こえにくい
 ③飛行機で耳抜きができない
 ④老健施設に入所中の親族が読んでも返事しなくなった
 ⑤難聴、耳鳴に回転性めまいを訴える場合は?
 ⑥流行性耳下腺炎に罹ってから聞こえない
5 難聴の遺伝子診断
 ①保険診療で行われている難聴の遺伝子診断
 ②遺伝子診断を実施できる施設の要件

第3章 治療
1 音響療法
2 薬物治療

第4章 予防
1 大きな音を避ける
2 難聴をきたす薬の処方を避ける
3 精神的・肉体的ストレスを避ける

第5章 難聴・耳鳴を診療するにあたって押さえておきたいこと
1 耳鳴は治らないのか?
 ①慢性持続性耳鳴の長期予後
 ②他覚的耳鳴の治療法と予後
2 間違いない補聴器の選び方
 ①補聴器の種類と機能
 ②患者さんの聴力、ニーズを考慮した補聴器の選択
 ③片耳それとも両耳?
 ④高度難聴の高齢者に有効な補聴器は?
 ⑤市販の集音器との違いは?
 ⑥補聴のための周辺機器
 ⑦耳鳴への効果は?
 ⑧身障の認定と補聴器交付意見書
3 難聴と認知機能
 ①難聴は認知機能に影響するのか?
 ②補聴器や人工内耳の装用で改善するのか?
4 人工内耳
 ①どのような難聴が適応か
 ②小児と成人の適応基準
 ③人工内耳の聞こえの仕組み
 ④音楽を楽しむことはできるのか?
 ⑤現在使用されている人工内耳の機種とそれぞれの特徴
 ⑥補聴器と人工内耳は併用できるのか?
 ⑦何歳まで手術できるのか?
 ⑧片側それとも両側?
 ⑨新しい人工内耳EASの適応と効果
5 人工中耳、骨導インプラント

トピックス 突発性難聴の新しい治療
トピックス 新たに指定難病となった若年発症型両側性感音難聴
トピックス 一側ろうの治療は?

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序文

「平成30年版高齢社会白書」によると, 平成29年10月1日現在の総人口は1億2,671万人と前年に比べ22万人減少し,65歳以上の高齢化率は27.3%から27.7%に上昇した。わが国の高齢化率は既に平成17年から世界一となっており,平成48年には33.3%,平成77年には38.4%に達すると予測されている。
平成24年のWHOの報告では65歳以上の高齢者の1/3が中等度以上の難聴を有すると見積もられており,難聴は高齢者の感覚器障害の中で最も頻度が高い。また,近年老人性難聴と認知症との関連が注目されており,昨年のLancetに掲載された論文(Livingston G,et al)では認知症のmodifiable risk factorsとして老人性難聴が最上位に挙げられている。
さらに,昨年のWHO総会においては“難聴の予防”がアクションプランに採択されている。その背景として現在世界で10億人以上の若者が携帯音楽プレーヤーやスマートフォンに接続したイヤホン,ヘッドホンを介して危険な音量を聴取したり,危険なレベルの騒音に曝露される娯楽の場(エンターテインメント施設)へ参加する,など非職業性騒音性難聴のリスクが高まっている状況がある。衆知のように騒音性難聴は不可逆的であるため何より予防が大切で,個人の嗜好で自発的に曝露される強大音のリスクについて警鐘を鳴らしている。
慢性持続性耳鳴の頻度は海外における大規模な疫学調査によれば全成人の15〜30%にみられ頻度は高く,老人性難聴と同様に,高齢になるにしたがい有症率が高くなることもよく知られている。
以上のように, 非職業性騒音曝露の増加や, 高齢化の進行に伴い一般内科診療所においても「耳鳴」や「難聴」の訴えが増加していくと予測される。本書はこのような背景のもと非耳鼻科医向けに「耳鳴」や「難聴」への対応を解説するという目的で企画された。非耳鼻科医に役立つ検査,診断を念頭に置き,「実地医科で使える難聴の評価法」,「こんな時にはどうする?」の項目を設けるとともに,耳鼻咽喉科のトピックである新しい難聴の遺伝子診断,進歩した補聴器の種類と機能,最新の人工聴覚器などについて紹介した。本書の内容が明日からの日常診療に少しでも役立つよう我々編者,著者一同心から願って止まない。

2018年12月
佐藤 宏昭

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正誤情報

下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。

このたびは『知っておきたい難聴・耳鳴』をご購入いただきまして誠にありがとうございました。
本書に下記の変更がございますので,訂正するとともに,謹んでお詫び申し上げます。

143頁「2両耳スケルチ(binaural swuelch)」4行目

聴取環境で片耳装用の語音明瞭度が両耳装用を上回る例を経験することがある。

聴取環境で両耳装用の語音明瞭度が片耳装用を上回る例を経験することがある。

 

173頁 表2タイトル

難聴をきたしうる代表的な薬剤

難聴と認知機能

 

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