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封入体筋炎が治療困難な理由と今後の治療展望は?

No.4938 (2018年12月15日発行) P.56

幸原伸夫 (神戸市立医療センター中央市民病院神経内科部長)

青木正志 (東北大学大学院医学系研究科神経内科学教授)

登録日: 2018-12-18

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  • 封入体筋炎患者は他の筋炎と異なり免疫治療に対する反応も悪く,治療に難渋しているのですが,その理由と今後の治療展望についてお聞かせ下さい。東北大学・青木正志先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    幸原伸夫 神戸市立医療センター中央市民病院神経内科部長


    【回答】

    【炎症性筋疾患ではあるが,筋の変性疾患の側面もあり治療を困難としている】

    封入体筋炎は主に50歳以上で発症する慢性進行性の筋疾患ですが,欧米では50歳以上では最も多い特発性の炎症性筋疾患と言われています。わが国でも患者数が増えているという報告があります。臨床的には筋力低下および筋萎縮の分布が大腿四頭筋や手指・手首屈筋にみられるという特徴がありますが,診断の難しさや受診の遅れなどから初発症状から5年以上診断がつかない症例も少なくありません。また,進行性の嚥下障害のみが先行する例などもあり,筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患との鑑別が難しいこともあります。

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