株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

脈絡膜悪性黒色腫における免疫チェックポイント阻害薬

No.4936 (2018年12月01日発行) P.55

今野伸弥 (山形大学眼科)

山下英俊 (山形大学眼科教授)

登録日: 2018-12-03

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【皮膚科領域の悪性黒色腫症例で良好な成績。眼科領域でのbreak-throughに期待】

免疫チェックポイント阻害薬は2014年7月にニボルマブが,15年7月にイピリムマブが,切除不能な悪性黒色腫に承認されている。がん細胞の表面にはPD-L1,PD-L2が発現しており,T細胞のPD-1と結合することによってT細胞は抑制されている。ニボルマブはこの結合を阻害することによってT細胞を活性化し,がん細胞を攻撃する抗PD-1抗体である。イピリムマブも発現している分子は異なるが,同じような作用機序が働く。

脈絡膜悪性黒色腫は予後不良な腫瘍で,特に肝臓に転移した症例ではダカルバジンなどの化学療法では予後が5~9カ月と言われてきた。皮膚科領域の悪性黒色腫症例では,ニボルマブ投与で完全奏効,部分奏効含め66%の症例に進行が抑えられたとの良好な成績が報告されている。

最近になり,海外で脈絡膜悪性黒色腫の転移に対して免疫チェックポイント阻害薬で加療した症例が報告されているが,予後が約5~10カ月と,皮膚科領域の悪性黒色腫よりは効果が落ちるようである1)。免疫チェックポイント阻害薬は,これ以外にもがん細胞のPD-L1に対する抗PD-L1抗体も臨床試験中である。免疫チェックポイント阻害薬のような分子標的薬は,加齢黄斑変性の抗VEGF薬やベーチェット病の抗TNF-α薬などが眼科治療においてbreak-throughになりえてきた。今後も期待していきたい。

【文献】

1) Heppt MV, et al:Cancer Treat Rev. 2017;60: 44-52.

【解説】

今野伸弥,山下英俊 山形大学眼科 *教授

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

関連物件情報

もっと見る

page top