【質問者】
戸倉新樹 浜松医科大学皮膚科学教授
【マダニによるアレルギーはtick anaphylaxisとある種の糖鎖に対するIgE抗体によるα-gal症候群がある】
当科には,茶摘みシーズンに毎年多くのマダニ刺咬による患者が来院します。マダニによるアレルギーはtick anaphylaxisと糖鎖gal-α-1,3-gal-β-1,4-GlcNAc(α-gal)に対するIgE抗体によるα-gal症候群の2つがあります。前者は,マダニ刺咬直後に発症するアナフィラキシーです1)。
これまで,既存報告のほとんどはオーストラリアにおけるIxodes属によるものでしたが,最近,わが病院のアナフィラキシー搬送患者の中にマダニ刺咬によるものが含まれていることがわかりました。これまで,アレルゲンは,ダニ,昆虫と交差する糖鎖抗原と言われていましたが,当院患者の多くは抗α-gal IgE抗体が陽性でしたので,α- galも原因になるのかもしれません。
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