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最近の人工呼吸管理:画像を読み解く

No.4925 (2018年09月15日発行) P.56

吉田省造 (岐阜大学医学部附属病院高次救命治療センター臨床准教授)

登録日: 2018-09-15

最終更新日: 2018-09-11

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【圧曲線等の表示を組み合わせることで,視覚的に病態や呼吸状況がわかる】

21世紀に入り,医療電子機器が進歩している。中でも,気道内圧などの測定技術や高密度画像などの画像技術の進化は急速である。そのため,人工呼吸器も単なるポンプでなく,様々な生態情報を表示する生体モニターとして,発展している。

最新機種には,大型の液晶モニターが装備され,設定項目を表示するだけではなく,経気道的なモニターとして様々な情報を画像表示することが可能である。現在,①圧曲線(pressure-time curves),②流量曲線(flow-time curves),③換気量曲線(volume-time curves),の基本三波形を同時に表示することが一般的になっている。さらに,パラメーターを2つ表記することで,④圧─換気量曲線(pressure-volume curves),⑤流量─換気量曲線(flow-volume curves)も,別画面や同時画面で表記できる。

これらの各曲線の表示を読み解くことにより,視覚的に,リアルタイムで,換気様式・自発呼吸の状況・コンプライアンスの変化などが理解できる。また,人工呼吸器と自発呼吸の同調性や,痰詰まりなどのアラームの原因把握なども,的確に理解できるようになってきた。

最近は,食道内圧を直接測定することにより経肺圧の測定が可能な機種や,横隔膜の活動電位を測定し自発呼吸との同調性を向上した機種(neurally adjusted ventilatory assist:NAVA)なども使用されている。各種生態情報をリアルタイムに読み取ることで,より的確な人工呼吸管理を実施することができる。そのために,これらのいろいろな機能を使いこなすだけの学習が必要である。

【解説】

吉田省造 岐阜大学医学部附属病院 高次救命治療センター臨床准教授

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