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失神[今日読んで、明日からできる診断推論 実践編(8)]

No.4703 (2014年06月14日発行) P.50

監修: 野口善令 (名古屋第二赤十字病院 副院長・総合内科部長 )

寺澤佳洋 (豊田市・藤田保健衛生大学連携地域医療学)

山中克郎 (藤田保健衛生大学救急総合内科教授)

登録日: 2016-11-08

最終更新日: 2017-03-30

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  • 病 歴

    70歳,男性。主訴は失神。便座に座り,排便をしようとしたところ,気を失った。家族の話では,以前にも同様のことが何度かあったとのこと。患者本人は「いつものことだから大丈夫だよ。ほら,ぴんぴんしてるよ」と答え,元気そうに見えた。

    スナップ診断

    排便時の発症であり,神経調節性失神(状況失神)が考慮されやすい。ただし,危険な失神(下記の「見逃し注意!」)の除外は必須である。


    分析的アプローチ

    ■なぜその疾患名が挙がったのか

    まず,本当に失神であったかどうかを確認することが大切である。意識障害ではないことを確認する。てんかんでは,痙攣後に意識障害が遷延することがある(postictal state)。最初の道筋を誤ると間違った診断につながるため,慎重に行う。

    私のクリニカルパール

    失神は突発し,意識は短時間(数秒~数分)で自然に清明となる。5分以上,意識が低下している場合は意識障害の鑑別を行う。

    残り3,275文字あります

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