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■NEWS 全国医学部に文科省が緊急調査、男女別合格率など―文科相「医学部入試は医師採用試験の側面がありうる」

No.4921 (2018年08月18日発行) P.21

登録日: 2018-08-13

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文部科学省は10日、医学部医学科を置く全国の国公私立大学に対し、入学者選抜に関する緊急調査を依頼した。過去6年間の男女別の合格率などについて質問するほか、男性の合格率が女性の合格率を上回っている場合には、その理由についても見解を求める。林芳正文科相は「医学部の入学者選抜は大学病院にとっての医師採用試験の側面がありうる」などと述べ、東京医大以外でも不正が行われている可能性を踏まえ、調査を実施する考えを明らかにした。

同日発出した事務連絡によると、調査は、2013年度~18年度の入学者選抜の実施結果について質問。各年度別の募集人員、志願者数、受験者数、合格者数、入学者数について男女別、年齢別に記載を求める。男性の合格率が女性の合格率を上回っている場合や、年齢ごとに合格率が大きく乖離している場合には、その理由について大学としてどのように考えているかも問う。

さらに、特定の受験者に対して事前の説明なく加点したり、性別や年齢などの属性により取扱いに差異を設けたことがあるかについても質問している。回答の提出期限は今月24日。文科省は調査結果を公表する方針。また個別の大学に対して、資料の提出や訪問調査を行うことも検討するとしている。

■文科相「医学分野の入学者割合は男性優位の特殊性も見られる」

同日の閣議後会見で林文科相は、東京医大の内部調査の結果について「きわめて不適切と思われる事態が判明した。今回の事態は大変遺憾であり、大学の信頼を失う重大な問題」との認識を示した。緊急調査を実施する理由については「医学部の入学者選抜は大学病院にとっての医師採用試験の側面がありうることから、他の医学部でも同様の事態がある可能性が指摘されている」と懸念。さらに「学校基本調査でも入学志願者に占める入学者の割合が全分野平均では女性優位で推移しているのに対して、医学分野では男性優位で推移している特殊性も見られる」と指摘した。

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