株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

(3)治療に難渋する便秘(症候性便秘,難治性便秘)の考え方[特集:ガイドラインに基づく慢性便秘症治療]

No.4919 (2018年08月04日発行) P.46

黒水丈次 (松島病院大腸肛門病センター院長)

松島 誠 (松島病院大腸肛門病センター総院長)

登録日: 2018-08-06

最終更新日: 2018-08-01

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

便秘は「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と「慢性便秘症診療ガイドライン2017」で定義されている

症候性便秘は原因に基礎疾患がある便秘で,治療を行う上では基礎疾患の治療が優先され,便秘の治療は対症療法となる

難治性便秘は,症状としては排便困難型便秘が多く,器質性および機能性便排出障害がその病態である

便排出障害の診断には,一般の問診と直腸肛門指診が基本であり,加えて専門的検査が必要となることが多い

治療は器質的原因では手術適応となることがある。機能性便排出障害ではバイオフィードバック療法や薬物療法と排便指導が有効である

1. 症候性便秘

症候性便秘は基礎疾患などの原因疾患がある便秘で,内分泌・代謝疾患では糖尿病や甲状腺機能低下症がある。また,便秘型過敏性腸症候群も慢性便秘症の原因疾患のひとつである。その他,神経疾患であるパーキンソン病や精神疾患,膠原病なども慢性便秘症の原因となる。しかし,これらの原因疾患と慢性便秘症との因果関係は不明瞭な点が多く,基礎疾患の治療が優先されなければならないのは当然である。すなわち,症候性便秘の治療は症状を検討し,食事や運動療法ならびに各種内服薬(消化管運動賦活薬,上皮機能変容薬,各種下剤など)による対症療法を行うことが一般的である。

プレミアム会員向けコンテンツです(期間限定で無料会員も閲覧可)
→ログインした状態で続きを読む

関連記事・論文

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top