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【話題5】産後大量出血に対する外科的治療[特集:今、話題になっていること─産科編]

No.4913 (2018年06月23日発行) P.39

實森万里子 (大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学教室)

松崎慎哉 (大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学教室)

木村 正 (大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学教室教授)

登録日: 2018-06-25

最終更新日: 2018-06-20

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1. 過去の産後大量出血に対する外科的治療―UCS導入前

世界では毎年30万人の妊娠・出産に関連した死亡が報告されており,原因は産褥出血(postpartum hemorrhage:PPH)が約25%と最多である1)。PPHは分娩様式によらず,分娩後24時間以内に認める1000mL以上の出血と定義され2),約5%の分娩で認められるため,その止血方法について習熟していることが重要である。PPHを認めた場合,原因検索を行うと同時に,弛緩出血であった場合は双手圧迫や子宮収縮薬の使用,止血困難な場合はバルーンタンポナーデ,子宮動脈塞栓術(uterine artery embolization:UAE)に加え,uterine compression suture(UCS),子宮全摘術が一般的な止血方法である3)4)。本稿ではPPHの主たる原因である弛緩出血に対する外科的治療の当院での変遷を紹介したい。過去としてUCSの導入前を,現在としてUCSを用いている状況を,さらに未来として今後の展望を述べたい。

UCSを導入するまでのPPHに対する外科的治療として,双手圧迫や子宮収縮薬(オキシトシン,メチルエルゴメトリンマレイン酸,ミソプロストールなど)の使用で止血が得られない場合は,ガーゼ充填法,Sengstaken-Blakemore tubeを子宮内に挿入するバルーンタンポナーデ法5),UAEを行ってきた。これらの方法を用いても止血が困難な場合,子宮全摘術を選択した。

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