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糖尿病管理に携わるすべての人のための セミナー糖尿病アドバイス

2型糖尿病患者指導のヒントが満載!

定価:2,530円
(本体2,300円+税)

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著: 田中 逸(聖マリアンナ医科大学内科学(代謝・内分泌内科)教授)
判型: A5判
頁数: 152頁
装丁: 2色刷
発行日: 2014年09月26日
ISBN: 978-4-7849-5606-7
版数: 第1版
付録: -

2型糖尿病患者指導のヒントが満載!
「新セミナー生活習慣病」の田中先生が贈る、2型糖尿病に携わるすべての方々必携の一冊が登場です。
2型糖尿病患者やその家族に対する疾患の基礎知識とアドバイスを、筆者の豊富な臨床経験をもとに総合的に編集しました。
第1章と第2章では糖尿病そのものについてや、糖尿病のさまざまな検査とその検査値の活用方法について患者さんにもわかりやすい言葉で解説し、第3章ではそれらを踏まえた日常生活のアドバイスをまとめています。
巻末には簡単な野菜料理のレシピもカラーで紹介。

目次

第1章 疾患を理解してもらう
1 血糖って何?
2 食前血糖を正常に保つ仕組み
3 食後血糖を正常に保つ仕組み
4 2型糖尿病とは
5 インスリン分泌異常の体質
6 インスリンが効きにくい体質
7 メタボリックシンドロームとは?
8 脂肪肝はメタボリックシンドロームのもう1つの原因
9 2型糖尿病のまとめ
10 血糖異常はあらゆる疾患の原因
11 妊娠糖尿病って何?
第2章 検査を理解してもらう
1 尿糖検査の活用
2 75gブドウ糖負荷試験(OGTT:oral glucose tolerance test)
3 HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
4 GA(グリコアルブミン)
5 1 5-AG(1 5-アンヒドログルシトール)
6 血糖自己測定(SMBG:self-monitoring of blood glucose)
7 連続グルコースモニタリング(CGM:continuous glucose monitoring)
第3章 日常生活のアドバイス集 ―血糖を良くするポイントとコツ―
1 遅い夕食は2分割を
2 朝食は早いほど有利
3 毎ベジファースト
4 プレバイオティクスの効果
5 野菜の摂り過ぎにも注意を
6 玄米食を始めませんか
7 不必要な間食は要注意
8 アルコールは低血糖の誘発因子
9 水分不足は厳重注意
10 室内の家事や日常の活動も立派な運動です
11 睡眠不足の解消を
You are what you eat.  ―野菜料理10品目のレシピ―
春 Spring
春キャベツとあさりの酒蒸し
新玉ねぎのチン!
【ヘルシー自家製肉そぼろ】
夏 Summer
ゴーヤーの炒め物
モロヘイヤと長芋のポン酢かけ
秋 Autumn
白菜,水菜とさつま揚げの煮びたし
小松菜のごま油煮
冬 Winter
せり,ごぼう,にんじん,油揚げの炒め物
里芋の中華風照り焼き
通年 All season
ごぼう,にんじん,こんにゃくの煮しめ
チンゲン菜の“ラー油入り酢醤油”かけ

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序文

生活習慣病の行き着く先は動脈硬化症です。それゆえ,日本人の死因の大きな割合を占める心筋梗塞や脳卒中を予防するには,日々の生活習慣の改善が必須です。そこで,生活習慣病全体を理論的に理解した上でアドバイスのポイントを習得して頂くことを目的として,平成25年7月に『新セミナー生活習慣病』を上梓しました。同書でも2型糖尿病についてはある程度解説しましたが,本疾患の治療や予防の領域では,何よりも日常生活におけるアドバイスが最も大きなウェイトを占めます。

2型糖尿病は遺伝的要因に生活習慣の問題が上乗せになって発症します。遺伝的要因には食後のインスリン分泌が遅い(追加分泌の遅延),インスリンの効き目が低い(インスリン抵抗性)などの体質をきたす複数遺伝子の組み合わせが指摘されています。一方,生活習慣の問題は何と言っても過食による肥満,遅くて多い夕食などの食事スタイル,慢性的な運動不足などです。生活習慣は後天的な要因ですが,私はこのような生活習慣も遺伝すると考えています。「生活習慣の遺伝」とはおかしな表現ですが,考えてみれば,親が過食であったり間食を多く摂ったりする家庭では子どももこれが当たり前になります。親が野菜嫌いな家庭の子どもが野菜好きになるとは考えにくいです。サラダしか作らない母親の子どもが野菜の煮物や炊き物を食べるはずがありません。親がスポーツをせず,スポーツに理解がなければ,子どもも小さい頃から体を動かすことはないでしょう。子どもにとって親はお手本であり,親の生活習慣を子どもが真似るのは当然です。これを遺伝と表現してもあながち誤りではないと思います。そのように考えると2型糖尿病患者やその予備群に日常生活のアドバイスを行うことは,本人だけではなく家族全体の発症予防につながる非常に重要なプロセスといえます。

€アドバイスとは人が行動する際,複数の選択肢の中からどの行動パターンが良いのかを判断するための参考にされるべきものです。しかし,これは良い,あれは良くないと言われても,それがなぜなのか,理解と納得を伴っていなければせっかくのアドバイスも意味をなしません。すなわち,アドバイスの前に必要なステップは,2型糖尿病に関する基礎知識をわかりやすく説明し,理解してもらうことです。書店の健康コーナーには一般向けに糖尿病を解説した書籍が数多く並んでいます。しかし,医療記事に対する理解度は個人差が大きいと思います。それゆえ私は,医師・医療スタッフが患者のレベルに応じたコミュニケーション能力を深めることがまず必要であり,その上でなされるアドバイスこそが効果を発揮すると考えています。

€本書は,患者やその家族の方に理解して頂きたい2型糖尿病の基礎知識とそれをふまえたアドバイス,糖尿病に関する雑学的な話題などについて,私自身がNPO法人「川崎糖尿病スクエア」のホームページで執筆した記事,学会や講演会などでお話ししている内容,日常診療の場で説明しているポイントなどを総合的に編集したものです。巻末には家庭料理プランナーによる簡単な野菜料理10品目のレシピを掲載しました。野菜料理を普段あまり作らない方にお勧め頂ければ幸いです。

本書に掲載した内容や図表の多くは私独自の考え方に基づくものであり,決してベストだとは思っていません。本書をひとつの参考書とし,読者ご自身の工夫を加えたオリジナルの説明とアドバイスのスタイルを構成され,日常の業務に役立てて頂ければ,これ以上の喜びはありません。

€2014年9月  田中 逸

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レビュー

【書評】指導力を大きくアップさせる指南書

河盛隆造(順天堂大学大学院スポートロジーセンター長)
2021年にはカナダのトロント大学で「インスリン発見100周年式典」が開催される。その企画委員会において評者は、「検診が普及し国民の知的レベルが高い日本では、7年後には2型糖尿病は発症するや否や直ちに的確な治療が施され、発症前の状況に復するのが当たり前になっている」と強調している。しかし、これを実現のためには、患者や家族、あるいは全国民が糖尿病を正しく認識し、“糖尿病放置病”に罹らないようにすることが必須であろう。
「血糖値が高いから、ブドウ糖を摂らない」のではなく、「全身細胞が貴重なエネルギー源であるブドウ糖を利用できなくなり血液中にだぶついている。脳や筋ではブドウ糖が欠乏している」と正しく認識し、ブドウ糖を有効利用させることこそが治療であろう。
著者の田中逸先生は、順天堂大学時代から、さらに聖マリアンナ医科大学赴任後も、学生や医局員、そして全国の専門医、医療スタッフ、患者に対して、わかりやすい講義・講演をされることで高い評価を受けている。本書では、そのエッセンスを凝縮してまとめておられる。
具体的には、血糖調節の仕組みから始まり、2型糖尿病発症に至る機序、その病態を理解するための説明が丁寧に記載されている。また閑話休題として、糖尿病に関連した人物の話題が取り上げられているが、これは患者との雑談のヒントにもなるだろう。さらに、血糖状況を反映する検査の原理と意味を理解するための説明、日常生活におけるワンポイントアドバイスなども盛り込まれている。いずれも、直近のデータに基づいた新しい視点とユニークかつ効果が期待できるものばかりである。なお、巻末には田中先生が普段自宅で食べておられる野菜料理のレシピの一部が紹介されている。
症状がまったくない糖尿病患者を治療する医師・医療スタッフは、知識と話題が詰まった引出しを数多く持っておくべきである。田中先生の豊富な引出しを閲覧できるのが本書であり、指導力をアップさせる指南書として是非活用されたい。

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