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患者・家族からの質問に答えるための うつ病診療Q&A

「こころの風邪」…で済ましてよいのでしょうか?

定価:4,950円
(本体4,500円+税)

在庫切れです

編集: 樋口輝彦(国立精神・神経センター総長)
判型: A5判
頁数: 224頁
装丁: 2色刷
発行日: 2009年02月15日
ISBN: 978-4-7849-5355-4
版数: 第1版
付録: -

国立精神・神経センターうつ病専門外来のスタッフが、患者・家族・かかりつけ医からこれまでに受けたことのある質問を出し合い90項目に編集。症状・経過~検査・診断~治療~生活指導・環境調整まで、あらゆる局面での「ナゼ」に答える一冊です。「このように説明するとよい!」を随所に設けており、外来での使いやすさUP。うつ病診療のスキルアップに是非。

診療科: 精神科 精神科

目次

第1章 うつ病に関する基礎知識
第2章 うつ病の症状・経過
第3章 検査・診断
第4章 治療一般
第5章 薬物療法
第6章 その他の治療法
第7章 生活指導
第8章 社会復帰・職場の環境調整

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序文


うつ病については啓発を目的に数多くの書籍が出版されてきた。また、Q&Aのスタイルの書籍もいくつかみられる。うつ病の啓発はこれら書籍の出版や市民向けのシンポジウムなど、あるいはマスメディアを通してかなり進んだように思われる。それでも私たちが外来で患者さんあるいは家族の質問を受けてお答えしていて、まだうつ病の理解が十分にはなされていないと感じるのも事実である。また、うつ病の患者はしばしばプライマリ・ケア医から紹介されるが、プライマリ・ケア医からうつ病の診断や治療に関する様々な質問を受ける。そのような質問には意外に共通の質問が多いことを経験する。そこで、うつ病の専門外来を担当する医師たちで、これまでに受けた質問を出し合い、Q&Aの形で一冊の本にまとめてみることになった。この本はプライマリ・ケア医やコメディカル、さらには患者、家族も読者対象として想定した。この本の特徴はQ&Aに加えて、医療従事者が患者さんにどのように説明するとよいかをそれぞれのQ&Aのあとに記載したことである。質問の数は90に整理した。執筆者が出し合ったため、どうしても治療に質問が集中したが、これは患者、家族の知りたいことが、やはり治療にあることの反映と言えよう。
この本のねらいは第一にプライマリ・ケア医はじめ医療関係者がうつ病治療にあたる際に利用して頂くことであり、第二に待合室に置いて頂いて患者さんにお読み頂くことにある。

2009年1月
樋口輝彦

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レビュー

【書評】うつ病診療の知識と技量を身につけられる良書

上島 国利(国際医療福祉大学・医療福祉学部教授)
本書は、国立精神・神経センターのうつ病専門外来で、診察に従事する医師を中心としたスタッフが、患者、家族、プライマリケア医などから寄せられるうつ病に関する質問90項目について解説したものである。
質問項目は、臨床現場においてしばしば遭遇する内容であるが、教科書などにはきめ細かく記載されていない項目である。そのため、通読することにより、診断、治療、予防など適切な対処が十分可能となる。
内容は、まず「第1章 うつ病に関する基礎知識」の解説に始まり、続いて「症状・経過」「検査・診断」「治療一般」「薬物療法」「その他の治療法」「生活指導」「社会復帰・職場の環境調整」の各項目についての概説が述べられている。さらに、「point」には、現時点でのその項目に関する最新の情報を含んだ重要事項が簡潔に述べられる。
そして「このように説明するとよい!」の欄は、実際に患者・家族に説明する事項が、話し言葉で平易に語られ、患者の家族が信頼し安心して治療に専念できるような配慮がなされている。また、重点な個所は強調されており、読者に対する心配りが手厚い。
うつ病の啓発は、それなりの拡がりをみせ、受診率も上昇してきているが、まだまだ多くの患者さんが受診をためらい、たとえ受診に踏み切ったとしても、精神科や心療内科以外の外来受診を行う傾向にある。非専門家といっても好むと好まざるにかかわらずうつ病診療に携わざるを得ず、うつ病治療に必要な知識と技量の獲得が望ましい。
このような状況下において、本書のような懇切丁寧なうつ病臨床の手引書の存在は、臨床各科医師にとり何より心強い。しかも、内容は分かりやすい言葉で解説されているうえに、医学的には高度で科学的である。
編者の樋口総長の細心の目配りが、隅から隅まで行き届いており、安心して用いることができる役に立つ良書である。

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