編著: | 山本舜悟(京都市立病院感染症科 副部長) |
---|---|
判型: | A5判 |
頁数: | 416頁 |
装丁: | 2色部分カラー |
発行日: | 2019年10月15日 |
ISBN: | 978-4-7849-4402-6 |
版数: | 第3版 |
付録: | 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
本書で取り扱う“かぜ”について
抗菌薬の投与量と保険適用量
時間がない人へのまとめ
Ⅰ章 成人の“かぜ”のみかた
1 “かぜ”の分類のしかた
2 “かぜ”診療における医師の役割
3 地雷を踏まないために
4 地雷を100%避けることは可能か?
5 薬剤耐性対策アクションプランと「抗微生物薬適正使用の手引き」と真の「適正使用」とは?
6 Delayed Antibiotic Prescription(抗菌薬の延期処方)
7 患者満足度を上げる「説明の処方」のしかた
8 高齢者のかぜ
9 気道症状有り:せき,はな,のど型(普通感冒)
10 気道症状有り:はな型(急性鼻・副鼻腔炎)
11 気道症状有り:のど型(急性咽頭・扁桃炎)
12 咽頭痛の地雷疾患:Killer sore throat
13 気道症状有り:せき型(急性気管支炎)
14 気道症状無し:高熱のみ型
A 敗血症
B 海外渡航関連の感染症
C インフルエンザ
15 気道症状無し:微熱,倦怠感型
16 気道症状無し:下痢型
17 気道症状無し:頭痛型
18 気道症状無し:発疹型
19 気道症状無し:関節痛型
20 いつもの“かぜ”と同じですか?
Ⅱ章 小児の“かぜ”のみかた
1 せき,はな,のど型(普通感冒)
2 はな型(急性鼻・副鼻腔炎)
3 のど型(急性咽頭・扁桃炎)
4 せき型(急性気管支炎)
5 急性中耳炎
6 フォーカス不明の発熱
7 漢方の適応と治療
Ⅲ章 妊婦・授乳婦の“かぜ”のみかた
1 妊婦が“かぜ”でやってきた
2 授乳婦が“かぜ”でやってきた
3 漢方の適応と治療
第3版 序 文
「Two men look out through the same bars:
One sees the mud, and one the stars.
(2人の男が鉄格子から窓の外を眺めていた。
1人は泥を見ていた。1人は星を見ていた。)」
Frederick Langbridge "A Cluster of Quiet Thoughts"より
初版と同様,第2版あとがきにもTo Be Continued・・・? と書いて終わりましたが,読者の皆様のおかげで第3部の発刊にこぎつけることができました。
第2版を出版してから間もなく,編著者(山本)も作業部会で作成に関わった「抗微生物薬適正使用の手引き 第1版」が厚生労働省から発行されました。この「手引き」となるべく齟齬がないようにと,少し早めに改訂させてもらいました。主な改訂点は「手引き」の内容を反映させたこと,現場からニーズの高い「高齢者のかぜ」と,誤診が訴訟につながりやすい「咽頭痛の地雷疾患:Killer sore throat」の項目を独立させたことです。
また,初版から漢方に関する記述をお願いしていた守屋章成先生が臨床の第一線から退かれたため,この部分の記載を麻生飯塚病院の新進気鋭の漢方医の吉永亮先生に改訂をお願いしました。
薬剤耐性菌への対策は,何かアクションをとればすぐに目に見える結果が出るわけではありません。1人ひとりが目の前の患者さんへの抗菌薬の適正使用を意識し,行動を繰り返して初めて,少しずつ成果が出てくるものです。
人類が抗菌薬を開発してからまだ100年も経っていません。しかし,薬剤耐性菌の猛威は,新しい抗菌薬開発のスピードを上回り,拡大していっています。人類にとって限りある貴重な資源と言ってもいい抗菌薬が枯渇しつつあるのです。抗菌薬を使える薬として,我々の子どもや孫の世代に残すために,1人ひとりに何ができるかを考えて,行動する必要があります。誰か1人だけ頑張っても変わりません。
それは,気の遠くなるような作業かもしれません。しかし,どうせなら,下を向き,泥を見ているよりは,遠くの空に輝く星を見て,一歩でも1ミリでも前に進みたいと思います。
本書がかぜ診療に携わる人の傍らに置かれ,星を見て前に進もうとする人達の一助になることを願います。
最後に編著者の利益相反をお示しします(すべて講演料です)。
2018年
・協和発酵キリン 77,959円
・ファイザー株式会社 114,552円
2017年
・Meiji Seikaファルマ株式会社 77,959円
2016年
・ファイザー株式会社 114,552円
2015年
・大日本住友製薬株式会社 55,685円
・一般社団法人日本血液製剤機構 56,709円
2014年
・大正富山医薬品株式会社 155,918円
・Meiji Seikaファルマ株式会社 55,685円
2013年
・Meiji Seikaファルマ株式会社 77,959円
2012年
・大塚製薬株式会社 44,444円
・アステラス製薬会社 55,555円
・サンド株式会社 88,888円
・ファイザー株式会社 44,444円
2011年
・大日本住友製薬株式会社 33,333円
著者を代表して 2019年9月 山本舜悟
下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。