■「準備委員会」発足させ理解を深めるのが第一ステップ
──これから地域フォーミュラリ策定の準備を進める地域は、どのようなステップを踏んでいけばいいのか。地域フォーミュラリを成功させるためのポイントを教えてください。
今井 まずは地域の医師・薬剤師などの理解を深めることが大事です。医師会、薬剤師会などで「準備委員会」を発足させ、勉強会・研修会・セミナーなどを通じて理解を深めるのが第一ステップとなります。
次に「作業部会」を設置し、学会のモデル・フォーミュラリを参考にしながら、地域の病院のDI室の力も借りてフォーミュラリの原案(素案)を作る。原案ができたら、医師会・薬剤師会・歯科医師会などで構成する「地域フォーミュラリ委員会」で検討し、最終案を決定・周知する。
フォーミュラリの作成対象については、比較的異論が出にくい薬効群から始めるとスムーズにスタートできます。経口酸分泌抑制剤やスタチン、抗インフルエンザ薬などは比較的異論が出にくいとされていますので、そのあたりからスタートし、半年なり1年なりやってみて、少しずつ薬効群を増やしていく方法がいいと思います。
更新の作業も重要です。後発品の薬価収載(年2回)の時期などに合わせてフォーミュラリを定期的に見直し、更新していくことが求められます。地域フォーミュラリは、残薬やポリファーマシーを改善していくツールにもなりますので、レセプト情報などを活用して導入の効果を評価し、メリットを実感してほしいと思います。
