日本フォーミュラリ学会の今井博久理事長は11月18日、本誌の取材に応じ、地域フォーミュラリの最新の実施状況や全国展開に向けた課題について語った。

全国展開への課題を語る今井理事長
地域フォーミュラリは、医師会・薬剤師会などが中心となって地域単位で作成する推奨医薬品リスト。今年6月の骨太方針2025(経済財政運営と改革の基本方針2025)に「地域フォーミュラリの全国展開」が明記され、2026年度予算編成に向けた自民・維新の協議の中で地域フォーミュラリの推進策の検討が進められている。
今井氏は、学会の調べで地域フォーミュラリの実施数は11月現在「25地区」に上り、準備中の地区を含めると「約50地区」に達していると説明。「来年度の予算編成でモデル事業の実施などが決まれば、さらに動きは加速する」との見通しを示した。
診療報酬上の評価については、2026年度改定で、医師側では何らかの処方加算、薬剤師側では調剤基本料の地域支援体制加算の算定要件に「地域フォーミュラリへの参画」を加えるなどの要件化からスタートし、2028年度改定での点数設定につなげることに期待を示した。
全国展開に向けた最大の課題は「地域フォーミュラリに対する医療関係者の理解を深めること」とし、地域フォーミュラリの重要な役割は医療費抑制ではなく「患者アウトカムの改善」と「標準的な薬物治療」の推進と強調した。
今井氏との一問一答は下記の通り。
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