検索

×
絞り込み:
124
カテゴリー
診療科
コーナー
解説文、目次
著者名
シリーズ

■NEWS 仲野阪大名誉教授、坂口志文氏ノーベル賞受賞を語る「着眼点が全く違う」

登録日: 2025.10.24 最終更新日: 2025.10.31

お気に入りに登録する

生命科学者の仲野徹阪大名誉教授は10月15日、本誌の取材に応じ、「制御性T細胞」(Regulatory T cell:Treg)の発見で2025年のノーベル生理学・医学賞受賞が決まった坂口志文氏(阪大特別栄誉教授)の研究成果、臨床応用の可能性について語った。

仲野氏は、「抑制性T細胞」(Suppressor T cell)仮説が否定された影響もあり、異常な免疫反応を抑えるT細胞の存在がなかなか認められなかった不遇な時代もありながら、強い信念を持って制御性T細胞の研究を継続した坂口氏の姿勢を高く評価。「着眼点が凡庸な人間と全く違う」「堂々たる研究成果」と称賛した。「くじけそうになった時にごく身近に支えてくれる人がいた」と、阪大招聘教員の妻・教子さんのサポートも大きかったとの見方を示した。

がん免疫療法などへの制御性T細胞の応用については「免疫というのはがんと比べて非常に複雑なシステム。あちらを叩けばこちらが、というようなことがどんどん出てくる」「可能性としては非常に大きいと思うが、実際にどうなるかはもう何年か経たないと分からない」と述べた。

今後、日本人で生理学・医学賞を受賞する可能性がある研究者については、細胞接着分子「カドヘリン」を発見した竹市雅俊氏(京大名誉教授)や「小胞体ストレス応答」の仕組みを解明した森和俊氏(京大特別教授)の名前を挙げ、「お2人とも可能性は十分ある。受賞しても全然不思議はない」と述べた。

仲野阪大名誉教授との一問一答は下記の通り。

坂口氏の研究成果を称賛する仲野徹阪大名誉教授


1 2 3