松本俊彦「クリニック外来で違法薬物使用の疑いのある患者を診たとき①~通報義務はありません」(質疑応答【動画版】)
登録日:2022.02.15 最終更新日:2025.09.24
シリーズ: 【Web医事新報チャンネル】~2022/5
質疑応答【動画版】では、現場の臨床医の先生方から実際に寄せられた質問・疑問を取り上げ、専門家が最新の知見・データに基づいてわかりやすく解説します。
今日のテーマは「クリニック外来で違法薬物使用の疑いのある患者を診たとき」。国立精神・神経医療研究センター薬物依存研究部長の松本俊彦先生にご回答いただきます。
(第1回「通報義務はありません」/全3回)
(視聴時間8分・2022年1月12日収録)
【松本俊彦「クリニック外来で違法薬物使用の疑いのある患者を診たとき」 CONTENTS】
第1回 通報義務はありません
第2回 深刻化する市販薬乱用
第3回 責めるのではなく、ねぎらいながら
【Question】
- 違法薬物使用の疑いがある患者を診たとき、一般のクリニックでも検査は可能でしょうか? 可能な場合、試薬をどのように入手すればいいでしょうか?(00:32)
- 違法薬物使用を疑わせる検査所見が出た場合、一般のクリニックではどのように対応すべきですか? 特に注意すべき点はありますか?(03:02)
編集メモ~ここがポイント!
-
一般のクリニックでも検査は可能だが、その目的は何かを明確にしておいたほうがいい
- 何よりも、あらかじめ「陽性」時の対応を考えておく必要がある
-
違法薬物使用を疑わせる検査所見が出た場合は原則として守秘義務が優先されるが、警察に通報しても医師が守秘義務違反に問われることはない(医師には裁量権がある)
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麻薬中毒者の場合、医師には届出義務があるが、一般医のレベルでは麻薬中毒者の判断は無用と考えていい(心配ならば依存症の専門医療機関に紹介を)
- 通報云々で悩むより、違法薬物を使わないようにするのに役立つ「社会資源の情報」を患者本人や家族に提供してほしい
- 秘密を守りながら違法薬物使用に関する相談に応じてくれる社会資源に「精神保健福祉センター」や「依存症全国対策センター」がある
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【関連書籍】
樋口進編『現代社会の新しい依存症がわかる本─物質依存から行動嗜癖まで【電子版付き】』 ※松本俊彦先生分担執筆
松本俊彦『誰がために医師はいる─クスリとヒトの現代論』(みすず書房サイト)
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