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学習障害

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-12
関 あゆみ (北海道大学大学院教育学研究院准教授)
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  • ■疾患メモ

    学習障害〔learning disability,(限局性学習症(specific learning disorder)〕は,全般的な知的能力,視聴覚障害,他の精神・神経疾患,心理社会的な困難,不適切な教育的指導では説明できない,読字・書字・計算などの学習の基礎的能力の障害を言う。

    先天的な障害であり,原因として中枢神経の情報処理過程に何らかの障害があることが推察される。

    中核群は発達性ディスレクシア(developmental dyslexia:DD)を中心とする読字障害であり,平仮名において1~2%存在すると考えられる。漢字の読字障害,書字障害はそれぞれ6~7%とされている1)。平仮名の習得に困難を認める読字障害児の多くは,漢字の読字・書字の習得にも困難をきたす。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    DSM-5(2014)では,① 不的確または速度が遅く,努力を要する読字,② 読んでいるものの意味を理解することの困難さ,③ つづり字の困難さ(日本語では文字を正しく書くことを含む),④ 書字表出(文章を書くこと)の困難さ,⑤ 数字の概念,数値,計算を習得することの困難さ,⑥ 数学的推論(問題を解くために数学的な概念・事実・方法を適用すること)の困難さ,の6つの症状のうち少なくとも1つが存在するもの,と定義されている。

    DSM-5の定義はこれまでの医学的定義(ICD-10およびDSM-Ⅳ)よりも広い症状を含んでいる。通常は,①読字,③書字,⑤計算,のいずれかに困難を持つ者を言う。また,文部科学省の定義(1999年)では「聞く,話す」の困難が含まれている。

    単語の読字困難とそれに伴う書字困難を認めるものを発達性ディスレクシア(DD)と言う。

    【検査所見】

    読字・書字・計算など,学習の基礎的能力の正確さまたは速度が,年齢基準値よりも有意に低い。評価は標準化された検査を用いて個別に実施する。学習の様子や総合的な学力テストのみでは診断できず,必ず客観的な検査を用いて評価を行う。

    全般的な知的能力は正常範囲である。全般的知的能力の判断には読字・書字能力や計算能力,言語性ワーキングメモリなどに依存しない指標(WISC-Ⅳの一般知的能力指標など)を用いることが推奨される。なお,DSM-5では知的能力の程度を限定しておらず,読字・書字・計算などの困難が"全般的な知的能力で説明できない"ことを確認する。

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