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滲出性中耳炎

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-09-22
飯野ゆき子 (東京北医療センター耳鼻咽喉科科長)
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  • ■疾患メモ

    滲出性中耳炎は,鼓膜に穿孔がなく中耳腔に貯留液が存在するが耳痛や発熱などの急性炎症症状がない中耳炎,と定義される。

    小児に好発する。急性中耳炎罹患後に貯留液が遷延する場合と,急性上気道炎時に無痛性に中耳貯留液のみが出現する場合がある。

    鼻咽腔・副鼻腔などの周辺臓器に炎症性変化による耳管障害が原因となることが多い。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    難聴が主たる症状である。幼小児では自ら訴えることが少ないため,呼びかけに反応しない,聞き返しが多い,テレビの音量を上げるなどの日常行動で家族が気づくことが多い。

    年長児,成人では,難聴のほかに耳閉感,自声強調,耳の中でごそごそ何かが動くなどの症状を訴える。

    【検査所見】

    顕微鏡下,あるいは内視鏡下での鼓膜の観察で中耳貯留液の存在をみる()。

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    ティンパノメトリーでB型あるいはC2型を示した場合,貯留液の存在が推定される。

    学童期であれば標準純音聴力検査,幼児の場合は年齢に見合った幼児聴力検査を施行し,難聴の程度を判定する。通常伝音難聴を呈する。

    副鼻腔炎,アレルギー性鼻炎などの鼻副鼻腔疾患,アデノイドの合併を調べる。

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