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好酸球性副鼻腔炎の治療における新薬の効果と手術治療の関係は?

No.5206 (2024年02月03日発行) P.50

千葉伸太郎 (太田総合病院記念研究所附属診療所太田睡眠科学センター所長)

和田弘太 (東邦大学医学部耳鼻咽喉科教授)

登録日: 2024-02-05

最終更新日: 2024-01-30

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  • 好酸球性副鼻腔炎の治療における新薬の効果と手術治療の関係についてご教示下さい。
    東邦大学・和田弘太先生にご解説をお願いします。

    【質問者】千葉伸太郎 太田総合病院記念研究所附属診療所太田睡眠科学センター所長


    【回答】

    【好酸球性副鼻腔炎には難治症例が存在するが,新薬である分子標的薬が大きな効果を示している】

    好酸球性副鼻腔炎は両側の鼻内に多くの鼻茸ができ,鼻閉,嗅覚障害をきたします。副鼻腔CTで篩骨洞優位の陰影があり末梢血中好酸球%が高値で,気管支喘息,アスピリン喘息やNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)過敏症を合併していることが多い疾患です。

    副鼻腔炎は良い手術(内視鏡下鼻副鼻腔手術)を行うことで,多くの症例は治癒ないしは症状の改善が認められます。しかし,好酸球性副鼻腔炎は,手術を行ってもすぐに再発の可能性のある,難治性の副鼻腔炎です。特に末梢血中好酸球%の高い症例や喘息合併症例の好酸球性副鼻腔炎重症例では,再発することが多いとされています。

    以前は手術後に嗅覚障害の悪化やポリープの再発,好酸球性ムチンの増悪があると,内服ステロイドでコントロールを行っていました。しかし,内服ステロイドの長期使用は,副作用を考えると推奨できません。今までは「仕方がない」「他に方法がない」と内服ステロイドを漫然と使用してきた症例もありました。そのような状況下で新規に登場したのが,IL-4受容体(IL-4Rα鎖)をブロックする分子標的薬であるデュピルマブ(デュピクセント®)です。

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