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味覚障害[私の治療]

No.5212 (2024年03月16日発行) P.47

木村百合香 (昭和大学江東豊洲病院耳鼻咽喉科教授)

登録日: 2024-03-18

最終更新日: 2024-03-12

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  • 味覚障害とは,味覚に何らかの異常が生じる病態である。味覚低下・減退(味が薄い),味覚消失・脱失(味がしない)という量的味覚異常と,自発性異常味覚(何も食べていないのに特定の味がする),異味症(本来と味質が異なる),悪味症(何とも言えない嫌な味になる),味覚過敏(味がきつく感じる)のような質的味覚異常に大別される。高齢者,女性に多い。風味障害,亜鉛欠乏性,口腔疾患に起因するもの,薬剤性,糖尿病や腎障害・貧血などの全身疾患,末梢神経性,中枢神経性など多岐にわたる原因がある。

    ▶診断のポイント

    近年,障害部位による分類が提唱されている1)。①味物質が唾液に溶解し味蕾(味細胞)に伝達されるまでの伝導性障害,②味蕾のターンオーバーの遅延による受容器性障害,③味覚神経の障害である神経性障害,④味覚伝導路に障害がなくても認知できない心因性,にわけて考える。

    【問診】

    病悩期間,詳細な症状,既往歴,常用薬,ストレスの有無などの聴取を行う。自覚症状の経時的変化の評価にはvisual analogue scale(VAS)を用いるとよい。

    【視診】

    舌苔や舌炎の有無,口腔内乾燥を診察する。鼓索神経障害や風味障害の原因となる耳・鼻腔疾患の有無も確認する。

    【血液検査】

    血算,血清亜鉛・鉄・銅の測定を行う。口腔乾燥があればシェーグレン症候群の診断目的に抗SS-A抗体,抗SS-B抗体,大球性貧血があれば葉酸やビタミンB12の測定を行う。

    【口腔内環境の評価】

    舌表面の細菌培養検査を行い,カンジダの存在の有無を調べる。口腔乾燥の評価としてはガムテストが簡便である。

    【味覚機能検査】

    電気味覚検査や濾紙ディスク法がある。味覚外来を開設している施設では検査が可能である。

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