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老人性色素斑

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
船坂陽子 (日本医科大学皮膚科教授)
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  • ■疾患メモ

    一般に"しみ"と呼称される疾患で,色素斑の中で最も高い頻度でみられる。主として中年以降に顔面,手背,前腕など日光曝露部に多発する。老化と慢性の紫外線曝露が病因として挙げられる。

    表皮ケラチノサイト,メラノサイト,真皮浅層の線維芽細胞の異常により,表皮突起の延長に伴うメラニンの相対的な増加,加齢に伴うケラチノサイトのターンオーバーの低下によりケラチノサイト内にメラニンが貯留することなどによって生じる。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    小斑型(雀卵斑様に顔面に多発),大斑型(直径2~3cmくらいの大きな斑が少数出現),白斑黒皮症型(白斑と色素斑が混在)の3型に分けられる1)。小斑型は数mmで,その色調はほぼ一様の褐色調を示す。大斑型は,小斑型よりもやや色調が濃く,濃淡がみられる。白斑黒皮症型は,びまん性の色素沈着および小斑型ないしは大斑型の色素斑と色素脱失が混在してみられる。

    【検査所見】

    臨床所見で診断がつく場合がほとんどであるが,悪性黒子との鑑別でダーモスコピーによる診断や生検による組織像の鑑別が必要なことがある。

    組織像では,ケラチノサイトの増殖が目立ち,表皮突起の延長がみられ,基底層のメラニンが増加している。

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