お知らせ
偽性腸閉塞症（オジルビー症候群および慢性偽性腸閉塞症）／後天性巨大結腸症
- 登録日：
- 2017-03-16
- 最終更新日：
- 2017-07-13
- 大久保秀則 （横浜市立大学附属病院内視鏡センター）
- 中島 淳 （横浜市立大学附属病院肝胆膵消化器病学主任教授）
■疾患メモ
□腸管の病的拡張をきたす疾患群である（表）。拡張部位により治療法が若干異なる。
□急性偽性腸閉塞症〔オジルビー症候群（Ogilvie syndrome）〕は，機械的閉塞を伴わないにもかかわらず大腸が急速に拡張する疾患で，種々の全身疾患，特に術後に続発する。
□慢性偽性腸閉塞症（chronic intestinal pseudo-obstruction：CIPO）は，器質的原因がないにもかかわらず主に小腸の慢性持続性の麻痺性イレウス症状をきたす疾患である。
□巨大結腸症（megacolon）は，機械的閉塞を伴わないにもかかわらず慢性的に大腸が拡張し，排便障害や腹部膨満などをきたす疾患である。
■代表的症状・検査所見
【症状】
□オジルビー症候群：急性の経過（6カ月以内）で発症する結腸閉塞症状（腹部膨満，腹痛）。
□CIPO：6カ月以上持続する腹部膨満，腹痛，嘔気・嘔吐など。栄養障害をきたすことも多い。
□巨大結腸症：慢性的に持続する腹部膨満，腹痛，便秘症など。
【検査所見】
□オジルビー症候群や巨大結腸症では，腹部単純X線やCTで著明な大腸拡張をきたす。明確な定義はないが，盲腸では12cm以上，上行結腸では8cm以上，直腸S状結腸では6.5cm以上で巨大結腸症と考えられている1）。
□一方CIPOは，腸液貯留およびair-fluid levelを伴った小腸の病的拡張をきたす。
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