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肺膿瘍

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
渡邊 浩 (久留米大学医学部感染制御学講座主任教授)
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  • ■疾患メモ

    肺膿瘍は病原菌感染のため肺実質が壊死し,膿瘍や空洞を形成する化膿性炎症性疾患である。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    発熱,咳嗽,膿性痰などであるが,悪臭を伴う痰や血痰がみられることもある。病変が胸膜に及ぶと胸痛や呼吸困難を伴う。

    【検査所見】

    〈理学所見〉

    打診にて濁音,聴診にて呼吸音減弱,水泡性ラ音,胸膜摩擦音などを認める。

    〈検査所見〉

    血液検査では白血球増多,核の左方移動,血沈の亢進,CRP高値などの炎症反応を認める。

    〈画像所見〉

    肺実質内の空洞影と特徴的な空洞内の膿性の液体貯溜による水平面(ニボー)形成を認める。鑑別診断として,肺癌,肺結核,非定型抗酸菌症,肺真菌症などが挙げられる。

    〈細菌学検査〉

    可能な限り,抗菌薬開始前に直接病巣より検体を得て,グラム染色で起炎菌を推定してから治療を開始することが重要である。血液培養(2セット)も同時に行う。

    原因菌は口腔内常在菌,特に嫌気性菌の関与が多く,複数菌感染の場合も少なくない1)。そのため喀痰培養では正確な起炎菌を同定することが困難な場合が多く,気管支鏡下に無菌ブラシ(protected specimen brush)を用いた検体採取をすることが望ましい。また,病変が胸壁に接している場合は経皮針吸引によって得られた検体も有用である。得られた検体は嫌気ポーターにより検査室へ提出する。

    全身状態等の問題で病巣にアプローチが困難であっても,肉眼的・顕微鏡的品質評価で良質と判断される喀痰が得られれば,グラム染色による炎症細胞の評価,貪食像の有無等により有用な情報が得られる可能性がある。

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