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市中肺炎

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-12
石田 直 (倉敷中央病院呼吸器内科主任部長)
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  • ■疾患メモ

    在宅で市中生活を送っている人に発症する肺炎であるが,健康な若年者から基礎疾患を有する高齢者まで幅広い患者層を包括する。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    上気道炎様症状に続いて,発熱,全身倦怠,食欲不振などの全身症状および咳嗽,喀痰,胸痛,呼吸困難などの呼吸器症状が認められる。

    細菌性肺炎では膿性痰の喀出が特徴的であるが,非定型肺炎では喀痰を欠如し頑固な乾性咳嗽が持続することが多い。

    重症化すると,頻呼吸,喘鳴,チアノーゼ,血圧低下,意識状態低下が認められることがある。

    【検査所見】

    胸部単純X線で大葉性あるいは区域性の浸潤影,または間質影が認められる。

    細菌性肺炎では,白血球数(好中球数)の増加,好中球の核左方移動がみられるが,非定型肺炎では白血球数は正常のことも多い。

    CRP増加や赤沈亢進などの炎症反応上昇がみられる。

    細菌性肺炎では,良質な喀痰のグラム染色で菌が認められ,培養にて有意な菌量が得られる。

    各種の抗原検査で原因微生物が判明することがある。

    血清抗体の上昇にて原因が診断される場合もある。

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