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チョコレート囊胞との闘い[プラタナス]

No.4897 (2018年03月03日発行) P.3

植田 啓 (ひまわりレディースクリニック院長)

登録日: 2018-03-02

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  • チョコレートが大好きな私ですが、こちらのチョコは女性の敵!なんとかその生産ラインを止めたいと奮闘しております。

    卵巣チョコレート囊胞は子宮内膜症にみられる所見のひとつですが、0.7~1%が癌化するというリスクがあります。溶けたチョコレートのような古い血液が溜まるので「チョコレート囊胞」なんて呼ばれていますが、甘みも幸せもない悪チョコです。

    さらに、子宮内膜症という病気、とっても厄介です。生理痛、下腹部痛、性交痛などの痛みによるQOLの低下。それから内膜症の30~50%が不妊症になるというデータもあります。

    実は私、30代の頃に子宮内膜症/チョコレート囊胞で苦しみました。そんな私を救ってくれたのが1999年に認可された低用量ピルです。低用量ピルが子宮内膜症に効くというのは今でこそ産婦人科の常識ですが、当時はエビデンスが不十分。しかし、自身の経験から患者さんには積極的に低用量ピルを処方し、悪チョコが縮小していくのを観察する中で、予防もできるという確信を深めていきました。

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