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漏斗胸手術の適応と限界,今後の展望【低年齢ではNuss法は避ける。新規スタビライザーによる再手術例の減少に期待】

No.4891 (2018年01月20日発行) P.57

漆原直人 (静岡県立こども病院小児外科科長)

植村貞繁 (川崎医科大学小児外科教授)

登録日: 2018-01-18

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  • 近年の小児の漏斗胸に対してNuss法が標準手術として多くの施設で行われるようになっています。しかし,手術の適応や胸郭の変形が非対称など治療に難渋することもあります。漏斗胸手術の適応と限界,今後の展望について,川崎医科大学・植村貞繁先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    漆原直人 静岡県立こども病院小児外科科長



    【回答】

    漏斗胸に対するNuss法が1998年に発表されて20年になり,最近では漏斗胸の標準術式として定着してきています。Nuss法の適応と今後の展望を考える際,手術年齢による問題と様々な胸郭変形の形態を取り上げたいと思います。

    手術年齢を考察する際,漏斗胸の発症時期として,乳幼児期発症と思春期発症があることを頭に入れておく必要があります。乳幼児期から前胸部が陥凹している患者は,思春期にかけて,胸骨が捻れる変形をきたす場合があります。思春期に外来を受診する患者の場合,低年齢では胸郭変形に気づかれていないことがあり,中学校に入る頃から少しずつ胸部の陥凹が進行してきたという訴えで来院します。約半数に胸郭形態が非対称性に変形している例がみられます。このように,漏斗胸は年齢とともに変形が変化していくため,Nuss法による治療が終了した後も,長期の経過観察が必要です。筆者らの経験から,10歳までにバー抜去が行われた患者において思春期に再発する例は少なからずみられます。そのため,低年齢でNuss法は行わないほうがよいと考えています。低年齢の患者で,漏斗胸による症状がある例では,Nuss法以外の治療法を適用すべきです。

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