抗血栓療法で使用する新薬の開発・上市が相次ぐ中、消化器内視鏡診療を行う際の出血と血栓塞栓症それぞれの危険度を考慮した対応の重要性が、1月11日に都内で開かれた第48回日本成人病(生活習慣病)学会(田尻久雄会長)のシンポジウムで改めて強調された。
シンポでは、消化器内科の立場から藤城光弘氏(東大病院光学医療診療部長)が、昨年日本消化器内視鏡学会など6学会が合同で改訂した『抗血栓薬服用患者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン』を踏まえ、「アスピリンの中止により心血管イベント、脳梗塞が約3倍に増加した」等の論文を紹介。
「消化器内視鏡診療を行う際は抗血栓薬の休薬といった画一的な患者管理ではなく、出血と血栓塞栓症それぞれの危険度を天秤にかけた、症状に応じた対応が推奨される」とコメントした。