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四肢の脱力と労作時呼吸困難を主訴に受診した61歳女性[キーフレーズで読み解く 外来診断学(158)]

No.4873 (2017年09月16日発行) P.1

監修: 生坂政臣 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

近藤 健 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

大平善之 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

上原孝紀 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

野田和敬 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

登録日: 2017-09-14

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    3年前より緩徐進行性の四肢の脱力と労作時呼吸困難が出現。長時間の歩行や重い調理器具を使うことが困難になった。歩行開始時には下肢の脱力を自覚するが,しばらくすると改善し,さらに歩行すると労作時呼吸困難と膝折れが出現するため,10分以上の歩行が困難である。同時期より,唾液分泌低下と便秘を自覚している。6箇所の医療機関を受診したが原因不明であり,当科を紹介受診。既往歴,生活歴に特記すべきことなし。

    身体診察では体温36.8℃,血圧102/68mmHg,脈拍85回/分。胸部聴診上,心音,呼吸音に異常なし。徒手筋力検査で四肢近位筋は4+/5,両側の膝蓋腱反射,アキレス腱反射の減弱を認める。数分の歩行でSpO2は80%台に低下する。

    一般血液・生化学検査では異常を認めない。安静時の動脈血ガス分析では,PaO2 91(80〜100)Torr,PaCO2 44(35〜45)Torr,pH 7.42(7.35〜7.45),HCO3 28.5(22〜26)mEq/L,SaO2 97%。胸部X線は正常範囲(図1)。



    研修医の診断:身体症状症

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