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それ、人違いですから… [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(138)]

No.4844 (2017年02月25日発行) P.72

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2017-02-24

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  • 「おぉ、ひさしぶり」と、東京駅で見知らぬおじさんに声をかけられた。は?頭をフル回転させるも、誰かが全然わからない。う~ん困った。新幹線の時間が迫っていて、ゆっくりしていられない。しかたなく「スミマセン、記憶にありません。大阪のナカノですが」と申し訳なさそうに言った。

    そしたら、周囲が騒々しかったせいか、聞き取れなかったようで「やっぱりナカムラ君か。電気屋の鈴木だ。忘れたのか」って、それ、完全に人違いですからっ!
    かなり慎重な性格なので、人違いをして話しかけた記憶はない。知り合いかなと思っても、声をかけずにうっちゃっておくか、向こうに気づいてもらえるように振る舞うことにしている。結構シャイである。

    人違いじゃなく、見知らぬ人から声をかけられることはある。学会や研究会などではしょっちゅうだ。しかし、最近はボケてきてるし、新しく会った人の名前など、記憶できないという前提でいるから、まったくといっていいほど覚えられない。「先生、お目にかかるの、もう4回目なんですけど」とか、悲しそうな顔で言われると、すまんのぉと思いはするがどうしようもない。

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