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日慢協武久会長、軽中度の高齢者が多い急性期病院を問題視 ― バックベッドへの移行で約3.6兆円の削減効果を試算

登録日: 2017-01-16

最終更新日: 2017-01-16

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日本慢性期医療協会の武久洋三会長(写真)は12日の定例会見で、現在7対1入院基本料算定病棟に相当数が入院している軽度・中度の後期高齢者患者について、「地域包括ケア病棟や慢性期病棟など地域のバックベッドへの移行を促進することで入院医療費の効率化を図るべき」と提案した。  

武久氏は、厚生労働省保険局が63カ所のDPC病院を対象に実施した全7対1入院基本料算定患者への直接医療提供頻度に関する調査結果を紹介。7対1を届け出ていても、医師の指示見直しが週1回程度以下、または医師の指示を必要としない患者の割合が40%を超える医療機関が約半数に上ることを問題視した。

■後期高齢者の1日当たり平均入院医療費は4.5万円

中でも75歳以上の後期高齢者では、高齢になるほど1日当たり医療費が低い患者が多くなる傾向にあるにも関わらず、1日の平均入院医療費が4.5万円に上る現状を踏まえ、「我々の調査では地域包括ケア病棟と療養病棟入院基本料の平均入院費は1日約2.5万円という結果だった。こうした地域のバックベッドへの移行が進めば大幅な医療費削減につながる。患者にとっても、急性期を脱した後の早い段階でリハビリテーションなどが得意な慢性期病棟に移った方が寝たきりになるリスクが低くなる」と強調。医療費削減効果については、後期高齢者の入院受療者70万人のうち20万人が高度急性期での治療が必要と仮定した場合、残りの50万人の入院医療費が1日当たり2万円削減できることから、50万人×2万円×365日=3兆6500億円と試算した。

その上で武久氏は、「効率化で浮いた財源はしっかりとした高度急性期医療を行っている病院や在宅医療に回せばいい」と述べ、「近々に日本の病院は広域急性期を担う本来の意味での高度急性期病院と地域包括ケア病棟を中心にした急性期患者も受け入れる多機能型地域病院の2つに大別されていくのではないか」との見方を示した。

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