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ピロリ菌便中抗原検査はPPIの影響を受けないか? 【PPI内服中除菌判定は可能か】

No.4835 (2016年12月24日発行) P.57

下山 克 (弘前大学大学院医学研究科消化器血液内科准教授)

登録日: 2016-12-20

最終更新日: 2018-11-27

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  • ピロリ菌(Helicobacter pylori)の便中抗原検査はプロトンポンプ阻害薬(PPI)内服の影響を受けないそうですが,除菌治療後にPPIを継続しても便中抗原検査なら除菌判定は可能でしょうか。除菌治療前後にPPIを中止しなくてもよいでしょうか。

    (質問者:千葉県 K)


    【回答】

    PPIの影響は便中抗原検査に使用するキットによって異なります。現在の保険診療上は,PPI投与の影響が少ないとされるキットであっても,検査前にはPPIを2週間休薬しなければなりません。一方,PPI内服のまま便中抗原法で除菌判定を行うことについては国産のキットの有用性を示した報告があります。

    尿素呼気試験には世界的にいくつかの方法がありますが,測定の対象はすべてウレアーゼ活性です。それに対して,数ある便中抗原測定キットでは,キットによって使用されている抗原が違うため,測定する対象が異なり,状況を複雑にしています。一般臨床で使われる国産のキットは,大部分が「テストメイトピロリ抗原EIA®」か「テストメイトラピッドピロリ抗原®」です。

    これらのキットはPPI内服の影響を受けにくいことが報告されています1)。一方,海外のキットについては,PPIの投与によって各キットが認識する抗原がわが国のピロリ菌ではどのような影響を受けるのか,またPPIの投与が測定結果に影響するのかどうか,ほとんど検討されていません。

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